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第32期名人戦七番勝負第7局

【11月8、9日 あたみ石亭(静岡県熱海市)】
黒 張栩 碁聖   対   白 高尾紳路 名人

  1日目 | 2日目

写真 名人位を奪還した張碁聖
写真 惜しくも敗れた高尾名人
写真 モニターを食い入るように見つめる王唯任四段(左)と新聞解説の蘇耀国八段
写真 石像
写真 あちこちにある灯籠
写真 池に咲く花
写真 盤面を前に談笑する三好徹さん(左)と工藤紀夫九段
写真 2日目の昼食は肉うどんにいなり寿司、マグロのユッケなど。張挑戦者はユッケを、ゆでた鳥ササミ肉の和え物に替えてもらったという
写真 張挑戦者が記した封じ手「12の七」
写真 張挑戦者の封じ手は12の七の切り
写真 封じ手を開封する立会人の工藤紀夫九段
写真 張挑戦者、名人位奪還なるか
写真 高尾名人、初防衛なるか
写真 外から見た対局室。人通りが目にはいるため障子は閉めきっている

歴史に残る名勝負

 292手で黒番、張挑戦者の2目半勝ちとなりました。序盤から戦いにつぐ戦いで、最終局にふさわしい、両者気合の入った大熱戦でした。

 戦いが下辺から上辺に移ったあたりから、やや白の辛抱の時間が続きましたが、左上隅で名人のパンチが入ってそれが決め手になったかと思われました。しかしその後の張挑戦者のリカバリーが素晴らしく、黒187の手止まりに回っては黒の勝ちが動かなくなったようです。

 シリーズを通して見させていただきましたが、お二人の戦いはまさに実力伯仲で、7局とも大変素晴らしい歴史に残る大勝負だったと思います。これだけ難解な碁をこれほど正確に打たれるのを、間近で見ていて僕も感動、興奮し大変勉強になりました。ありがとうございました。

2007年11月09日19時03分

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張・新名人「去年より成長」 高尾名人「実力の差」

 張・新名人は名人にすぐ復帰できたことについて「どの碁も難しかったが、ホッとしています。内容でも自分なりに精一杯頑張ったつもりなので、ありがたく思っています」。

 高尾名人には七番勝負で過去2連敗していたが、「去年より少しは成長した気がする。本当に強い相手で、たくさん教わりました。これからもずっと戦っていく相手だと思う」

 第5局、第6局と連敗して3勝3敗のタイにされたことについて「連敗したので、負けてもともとというつもりでのぞんだ」。

 第7局は「中盤では少し打ちやすいかと思っていた。しかし、右辺にできた黒の大きな地模様も、五線に打ち込まれる心配もあり、確信は持ちにくかった。二日目の左上の攻防で大きなフリカワリになったのは、全然予定していなかった」。

 敗れた高尾名人は「自分なりに頑張り、自分の力は出せたので悔いはないですね。今回負けたのは、まあ実力の差だと思います」

 第4局までで1勝3敗とカド番に立たされたことについて「このまま負けるのかなと思ったが、そのあと二つ勝てたので、大きな自信になった」。

 第7局をふり返り「序盤から悪かったですね。途中(フリカワリで)だいぶ得したかと思ったが、その前がだいぶ悪すぎたですね」

2007年11月09日19時00分

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30分余り、和やかに感想戦

 終局して整地すると、黒地35目、白地26目。コミ6目半なので黒の2目半勝ちだった。

 朝日新聞記者のインタビューが10分余りあり、その後、序盤の下辺の攻防を巡り自然と感想戦に移った。両者とも笑顔で、和やかな感想だった。

 下辺の次は、その前の右上の白の打ち方を巡って、高尾前名人が色々と反省をもらした。右上の白18では白12から43の地点に一間トビし、右辺に黒の模様をはらせない方がよかったらしい。

 感想は約30分続き、午後6時半に打ち切られた。

2007年11月09日18時57分

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張挑戦者が勝利 名人位を奪還

 第32期囲碁名人戦七番勝負第7局は9日、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で2日目が打ち継がれ、午後5時42分、挑戦者の張栩碁聖(27)が高尾紳路名人(31)に292手までで黒番2目半勝ちし、通算4勝3敗で昨年奪われた名人位を奪還した。2年ぶり3期目の返り咲き。

 持ち時間各8時間のうち、残り時間は高尾名人4分、張碁聖は1時間3分。

2007年11月09日17時50分

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名人、秒読みに

 午後5時8分ごろ、高尾名人は残り10分の秒読みに入った。石田芳夫九段は「盤面で黒10目リードの線が濃くなっています」。

 挑戦者が小ヨセの手でパチンと石音高く打ったのに、石田九段は「これは勝利宣言でしょうね」。

2007年11月09日17時19分

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名人、ぼやく

 小ヨセに入った午後5時前、NHK衛星テレビの石田芳夫解説者の目算によると、黒地90ないし91目に対し、白地は80ないし81目。盤面で黒10目程度のリードらしい。

 対局室では、両者とも終始無言でヨセ合っているが、高尾名人が突然天井を仰いで「あーあ、バカだなあ」とぼやいた。

 検討室では、「名人、非勢を嘆いたか」と受け止める声がもれた。

2007年11月09日17時05分

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黒、手止まりを打つ

 黒187のスベリは大変大きな手で、だいたい10目くらいの手です。

 盤面を見渡すと、これに匹敵する大きさの手はなく、黒が手止まりを打った印象です。

 どうも黒が残りそうな気配がしてきました。

2007年11月09日16時38分

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驚愕の進行

 左上隅は予想通りコウになり、黒はその代償として真ん中を黒161、163と連打しました。

 白は右上隅を活きねばならず、黒は167と中央を囲ってコウ争いからの攻防が一段落しました。

 ぱっと見は左上隅を派手にぶち抜いた白が得をしたように見えますが、黒の右辺からの盛り上がりもすさまじく、計算してみると恐ろしいことに細かい形勢のようです。

 一時はどうなることかと思いましたが、こんなにうまく分かれるとは、いやー本当に驚きました。

 碁というものの深さと、お2人の強さに脱帽です。

2007年11月09日15時31分

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対局者を慰める花と石

 あたみ石亭は、離れをつなぐ石畳と、そこここに見え隠れする石灯籠など、邸内に巡らした見事な石組みが自慢という。

 立冬を過ぎたとはいえ、湘南海岸をのぞむ温暖な地のことだ。ツワブキやツバキ、サザンカなどがいち早く花をつけ始め、夏のなごりの百合やツツジもまだ咲いている。宿の外に出なくても、四季の移ろいを感じられる庭。対局室と自室を巡るたび、両対局者には格好の慰めになっていることだろう。

2007年11月09日13時50分

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コウについて

 さきほどコウになると言いましたが、その詳しい内容について参考図を載せておきます。

 部分的には、参考図1参考図2のような手順でコウになります。ただ、白も7の六に断点がありますので、黒が攻め合いに持ち込む手段(参考図3)もあるのですが、これは白の方が手数が長いので、黒が無理そうです。ちょっと手数が長くなってすみませんが、白9と一本逃げて11と切り込む手がうまい筋です。

 さかのぼって白142とツケコされた時に、黒が2の七とハネて渡っていれば無事でしたが……。

2007年11月09日14時45分

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急転直下

 大変なことになりました!!

 白142のツケコシに対して、黒が143、145とまともに対応したので、左上隅の黒が危険な状態に陥りました。

 現在、黒147まで進んでいますが、次に白1の七とトブ手がうまい手で部分的にコウになってしまいます。

 もしかしたら、張挑戦者はこの手を見損じしていた可能性があります。

2007年11月09日13時57分

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作家の三好徹さん現る

 囲碁好きで知られる作家の三好徹さん(76)が9日昼前、対局会場の「あたみ石亭」を訪れた。検討室で旧知の立会人・工藤紀夫九段らと、対局の成り行きを愉しんでいた。

 三好さんはかつて読売新聞記者のころ、囲碁観戦記を書いたことがあり、近年は日本棋院の囲碁殿堂選考委員もしている。先月は都内で開かれた映画「呉清源 極みの棋譜」記念のシンポジウムにパネリストの1人として参加し、「昔、私が林海峰九段の対局を観戦していたころ、林さんの師匠の呉清源さんが解説、呉さんの師匠の故瀬越憲作さんが立会人ということがしばしばあった。その時、瀬越さんは弟子の呉さんを呼ぶとき、決して『呉くん』とは呼ばず、『呉さん』と呼んでいたことをよく覚えている。若い弟子なのに、呉さんの天分と人柄を深く尊敬していたからこそと思う」と、往年の逸話を披露していた。

 またゴルフ好きでも知られ、集英社のPR誌「青春と読書」にエッセー「文壇ゴルフ覚え書」を連載している。

 三好さんの「名言」のひとつは、チャプリンが映画「ライムライト」でクレア・ブルームに言った「人生は勇気と想像力、そしてちょっとばかりのお金があればいい」に付け加えて、「盤石(碁盤と碁石)に、碁敵(ごがたき)があればいいんだ」。

2007年11月09日13時17分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。張挑戦者の135手目は2の五。

2007年11月09日13時15分

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135手目考慮中に昼食休憩

 第32期囲碁名人戦七番勝負第7局2日目は、張挑戦者が135手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が5時間40分、張挑戦者が4時間43分。再開は午後1時。

2007年11月09日12時00分

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辛抱続く、名人

 黒111から白116までは黒にとって気持ちのいい利かしで、白にとっては上辺の塗られ方にせよ、ここの利かされ方にせよ辛抱の時間が続いています。

 ここで黒は9の八にマガるなどして真ん中を備える手も考えられそうなのですが、張挑戦者は8の十八と手厚く白数子を取り込みました。

 この手は地として13目くらいあり、なおかつ下辺の黒一団の目をはっきりさせた手厚い手で、張挑戦者の自信がうかがえるような気がします。

2007年11月09日11時48分

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挑戦者、鮮やかな打ち回し

 黒99のツケから109まで、昨日の時点では攻められそうに見えた上辺の黒石がきれいにつながりました。

 左上は白から4の五のカケが利き筋で、上辺の黒石と左上隅の黒石がつながることは困難に見えたのですが、その暇を与えず、こうもすんなり連絡しては黒が一本取ったように見えます。

 張挑戦者の鮮やかな打ち回しです。

2007年11月09日11時00分

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激闘の予感

 封じ手は12の七の切りでした。この切りから黒97とアテる手が形的に気持ちよく、また白を切断気味に打つことが黒のシノ ギにもプラスになると見てのことでしょう。 

 2日目も激しくなりそうな予感がします。

2007年11月09日10時02分

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決戦の朝

 おはようございます。いよいよ2日目の朝を迎えました。

 泣いても笑っても今日の一日で、高尾名人の初防衛か張挑戦者の名人位奪還かが決まります。

 この大一番がどのように進められていくか、僕としても非常に楽しみです。

2007年11月09日09時55分

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張挑戦者の封じ手は「12の七」の切り

 第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の最終第7局は9日、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で2日目が打ち継がれた。

 午前9時から高尾紳路名人(31)と挑戦者の張栩碁聖(27)が1日目の94手目までの手順を再現し、立会人の工藤紀夫九段が封じ手を開封した。黒番の張碁聖の封じ手は12の七の切りだった。夜には名人位の行方が決まる。持ち時間各8時間のうち、1日目の消費時間は張碁聖3時間36分。高尾名人3時間54分。

2007年11月09日09時10分

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  1日目 | 2日目

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