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< 第32期名人戦最終予選3組決勝 >
  先手 ● 黄翊祖 七段     対   後手 ○ 羽根直樹 九段

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棋譜
20〜47手

長考の価値

 見慣れない形が現れると、実戦例の有無を知りたくなるのが記者の習性だ。これは羽根も同じで「経験ずみなんですか」と、局後にたずねた。経験ずみではなく、ちらっと考えた図を黄は実行したと語る。

 新型といっていいだろう。羽根は慎重にならざるを得ない。それにしても白20の考慮時間67分とはすごい。大部分は参考図の白1、3との比較に費やしたと察する。彦坂解説者はいう。

 「黒4からワタり、白は5、7を決めて9とノビ、中央の競り合いです。5の一子が死に切っていないので白はこれも有力でしょう」

 しかし長考しただけのことはある。黒21の出にあいさつせず、白22、24と出切り、黒31にようやく白32と戻す。白40の利かしも気持ちいい。持ち時間5時間は長すぎるので国際棋戦標準の3時間に合わせ、2日制の挑戦手合も1日にという乱暴な意見があるが、3時間ではこうは打てまい。

 黒45で一段落。黄の気合から始まって盤上の4分の1に及ぶ分かれはどうだったのか。実利は明らかに白に軍配があがる。外勢も白は決して弱くない。おまけに先手を得て白46のカカリが絶好。白が断然よく、終わったも同然という声が支配的だった。

 ところがまだ話は終わっていない。黒47が疑問だった。 [次の譜へ]

(春秋子)

2006年12月29日


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