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〈石田芳夫九段の展開予想〉

第7局までもつれ込むか

 今期の注目点は、前名人の張さんが挑戦者になったこと。名人位を奪われた翌年に即リターンマッチを挑んだのは、32期の歴史のなかでも第3期の大竹英雄さんだけ。こんなに少ないとはおもしろいものだね。

写真 石田芳夫九段

 張さんは今年、17連勝などの好調の波に乗って挑戦権をつかんだ。リーグ序盤戦は張さん、山田規三生さん、依田紀基さん、坂井秀至さんの4人が主役で、そこから張さんが突っ走った。最後は余裕のゴール。とても充実しています。

 迎え撃つ名人の高尾さんは、本因坊3連覇をはたしたばかり。挑戦者の依田さんもそれなりの戦いをみせたが、高尾さんが接戦をものにして防衛した。

 2人は性格も棋風も好対照。高尾さんは神経が太いというか全体的にのんびり構える。2日制対局のリズムに合っているだろう。張さんのほうが繊細だ。

 碁でも張さんがスピーディーに動き、高尾さんはゆったり後からついて行く。どちらも自分のスタイルに自信を持っているが、直接対決では、相手のペースに乗るか、自分を貫くか。たぶん高尾さんは変えないでしょうから、張さん次第になるのでは。

 高尾―張の挑戦手合七番勝負は3回目。3回も負けるのはつらいから、勝ちたい気持ちは張さんのほうが強いだろう。一昨年の本因坊戦は第5局で、昨年の名人戦は第6局で決着。期待も込めて今回は第7局まで行くとみます。最後はどちらが勝つか分からない。

 四天王といわれる4人のなかで、山下敬吾さんと羽根直樹さんは今それほど目立っていない。高尾さんと張さんの勝負は事実上の頂上決戦でしょう。高尾さんにとっては大名人へ向けての大関門になります。

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