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黒高尾秀紳  本因坊   対   白趙治勲  十段

取れないシチョウ

2008年01月25日

 白80を打つときの趙の迫力は、言葉ではうまく伝わらない。同部屋で対局中の武宮正樹九段が飛び上がるくらいの気迫だったと記しておく。

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棋譜

 午後5時半の夕食休憩まで9分。高尾の様子がおかしい。「そんなバカな手はないよなあ」「まさか、ウソだろう」と、自問自答するようなボヤキが続く。休憩を告げるブザーが鳴ると、「どうしますか」と趙が切り出し、高尾は「先生、決めてください」と返す。高尾の直前の様子を目の前で見ている趙は、「打っちゃおうか」と、休憩なしを選択した。

 さらに高尾は25分以上考え、あとはご覧の通り。取れないシチョウを追いかけ黒105まで。右上白の捕獲にすべてをかけた。局後の検討では白110で参考図の1なら、しのげていたとの結論。

 石田芳夫「白3に黒5なら白4でしのぎ形ですが、黒4から6でかなり厳しいのでは。白13に黒14がポイントです(9コウ取る)」

 白aには黒bで受けられるのが自慢。上辺と右上隅に何の味もない。

 白は108でAとノゾくタイミングだった。黒Bには白111がうるさい。黒Cなら白Dでしのぎ形だ。

 実戦は白110のとき黒111の棒ツギが強手。高尾は再び取れないシチョウを黒115と追いかける。

(松浦孝仁)

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