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黒坂井秀至  七段   対   白依田紀基  九段

悪手が好手に

2008年02月22日

 白66とオサえたのが敗着である。黒67を許しては一瞬にしてチャンスが去った。「依田さんのように最も形に明るい人がなぜ」と結城解説者は首をかしげる。

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棋譜 82コウ取る(77の左)、85同(77)

 66はノータイム。悪手には何らかの理由があるはずだが、これだけは分からない。坂井ともあろう者が▲とハッたのだからオサえるしかないと信用したのだろうか。

 解説者が推すのは参考図の白1である。黒2には白3、5から黒10までと生かし、白11と動き出す。見通しの立たない乱戦は必至で、形勢もまったく不明だ。あるいは依田が感想戦で述べたように、白1でaと押し、黒bと生きたとき、白cとハネるのも有力だった。

 悪手の▲も、とがめなければ好手と化す。実戦は黒から102の利きが生じ、白が打ちにくいというより勝ちがたいほど差がついてしまった。

 白68は眼形確保と同時に15目近い実利。いまはとにかく辛抱だ。そして白70のツケ、76の廃石利用、88の模様拡大と局面打開に忙しい。チャンスは再びやってきた。

 坂井「黒91では102を決め、白Aとかわっておくのでした。いつでも利くと思ったのが大まちがいです」

 黒105までと取り込んでかえって損をしたという。

(春秋子)

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