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黒井山裕太  七段   対   白山田規三生  九段

見損じ?

2008年02月29日

 井山はサインを求められると、よく「気合」と書く。他の文字は思い当たらないというほど、胸に刻んでいる言葉だ。

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棋譜

 力を込めて盤に押しつけるように井山は黒31とツケコした。▲を働かせるためには、すぐ決行するしか調子がつかない。黒Aなどは大場だが、うかうかしていると、すぐ白Bや37と守られて▲が動けなくなってしまう。

 黒39のマガリに、山田が40とツケたのには、検討陣は色めき立った。「黒41とコスミツケられたらどうするつもりなのだろう」

 実戦も懸念通りに進み、白48まで白が右下に頭を出し、黒は白2子をちぎって中央が厚くなる振り替わりとなった。

 「黒がいいでしょうね」と井山の師匠・石井邦生九段。「白2子を取って黒47のトビにまわっては、黒が一本取った」と石田篤司解説者ら検討陣の判定も一致。「黒41を見たとき、規三生さんはひどくぼやいていた」という目撃情報もあり、「山田見損じ説」までささやかれていた。

 しかし当の山田は検討で、「大したことないから、白2子は捨てればいいのだろうと思っていたんやけど。右下が止まってがばっと地ができるほうがイヤかなあ」と「確信犯」だったことを明かした。井山も「31とツケコしたけれど、成果があがっていないような気がします」と、黒の分かれに自信なさげのよう。

 大きく隔たった形勢判断。どう見ているかで、次の一手の意味は大きく違ってくる。

(内藤由起子)

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