< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第7局 観戦記 > もたつくが2008年02月29日 盤面勝負というほど白がリードしているが、一方的に秒に追われている山田がもたつく。
白66では参考図1の1、3を決めておくべきだった。黒が手を抜くと参考図2の白1ツケから7まで二段コウにする手段がある。白3で4にサガれば、黒3、白a、黒bで先手ゼキだ。「えっ、そうなん? 逆ヨセ7目か! めちゃくちゃ大きい」と山田は局後、頭を抱えていた。 白72でも図1の1、3は決行できた。右上でコウが残ると、とても左上のAのコウは仕掛けられない。黒が右上を生きて白92に抜くのが相場だ。 「白86では93にマガるほうが正しい。中央を薄くしたので、Aのコウを心配したのでしょうが。白96にも出ないほうがいい。急に形勢が接近して相当おろおろしていますね」と、山田の兄デシでもある石田篤司解説者。 黒としても93でBにアテ、白Cツギ、黒106、白Dを交換してから93に切るほうがまさったが、逆転までは至らない。 さて、振り返って黒の敗因はどこにあったか。相当早い段階であることは確かなのだが……。 (内藤由起子) |