現在位置:asahi.com>囲碁>名人戦観戦記> 記事

< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ第9局 観戦記 >
黒坂井秀至  七段   対   白井山裕太  七段

見えていたもの

2008年03月14日

【白3目半勝ち】246手完

 終盤、下辺2カ所で続けざまにコウが争われ、一時はもつれたかとの声も上がった。しかしコウはいずれも白が制し、そのまま井山が押し切った。左辺黒に対してコウ材は売るほどある。

打ち手再生 別ウインドウで開きます | 使い方

棋譜 65コウ取る(57)、68同(62)、69ツグ(36)、71コウ取る(57)、160同(32)、163同(157)、166、169、172各同、174ツグ(157)、185コウ取る(177)、188同(182)、191、194各同、196ツグ(177)、220同(203)

 それにしても白100(16の四)のアテ込みには驚いた。ここが急所になるなんて、記者には想像もつかなかった。井山だけに見えていたようだ。

 「序盤、右上の形が決まった時から狙っていました。あとはいつ決行するか。タイミングをはかっていました」と、井山はこともなげにいう。

 石田章「左辺が黒地になった直後で、坂井さんに楽観があったのかもしれません。黒101(18の五)では102が唯一の抵抗策でした。しかし、こんな目新しい筋を見せてもらったのですから、白100をたたえましょう」

 黒99(16の九)とのぞんだ瞬間だったというのも白100を際立たせた。黒は白143(15の七)の逃げ出しを嫌ったばかりだから、白に105へ切られたくないという心理が働く。

 井山、リーグ戦初白星。10代の名人という夢を見させてくれる、中身の濃い一戦だった。

 坂井はひと休み。黒39(7の十五)や47(7の十三)など、最近は過激なこともやるようになった。芸に幅が出てきたとの評判だ。

(松浦孝仁)

このページのトップに戻る