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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ第10局 観戦記 > 本命に土2008年03月21日 【白2目半勝ち】258手完 勝ちを信じて疑わない依田が、大あわてした場面があった。左下黒175と一線に置かれたとき、大きな目をさらにギョロリとさせ、「えっ、そんな手があったのか。どうしようもないアホだな」と敗者のように嘆いた。
確かに黒175はめったに見られない筋で、妙手といっていい。白176から180と応ずるくらいだから、黒177を先手で打った理屈だ。白が177にサガったとすると、いずれAのツケが生ずるので黒217にオサえなくてはならず、妙手で黒は1目もうけたことになる。これがギリギリの半目を争う形勢なら、175は勝着と絶賛されただろう。しかし依田にはなお余裕があり、胸をなでおろした。 1目半が2目半に開いたのは、黒213(4の十九)が小さかったため。230(7の九)にツグ方が1目得だった。 本命高尾に土。白34(3の九)以下、先手で生きられた誤算が最後まで響いたようである。久しぶりに高尾の負けを見たと思ったら、名人を失ってから8連勝中だった。この間、ライバルの張栩を破って十段戦の挑戦者に名乗りをあげるなど、好調を維持していた。好調とはいえない依田がその高尾を破った意義は大きい。相手が強くなればなるほど真価を発揮するのが依田。上位の山田規三生らにとってはこわい存在だ。リーグをおもしろくし、自身が浮上するためにも、さらなる奮闘を期待したい。 (春秋子) |
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