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黒趙治勲  十段   対   白黄翊祖  七段

下辺の幅

2008年03月28日

 現在、最も多忙な棋士が趙治勲だろう。3月上旬には十段位の防衛戦が始まったし、棋聖戦七番勝負は山下敬吾棋聖に挑戦している真っ最中。第3局終了から第4局までの12日間に3局も打っており、そのうちの一つが本局だ。

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棋譜

 どんなに忙しくても趙は常にエンジン全開。序盤、数手進んだところでもう顔が紅潮している。

 白10のツケに黒11ノビと換わって、黄翊祖は白12とカタツぐ。白12ではAとカケツぎ、黒13、白Bまでヒラくものかと思っていたが、最近はそうでもないらしい。「Aのカケツギだと黒Cと厳しくハサまれる恐れがあります。コミが大きいので、白14のヒラキでも黒Dとはツメにくかろうと見ているのです」と解説役の王銘エン九段。

 白16のハサミに黒17とカケられ、黄は意欲的な作戦を試みる。白18から22と3本ハッて、24と構えた。黒25とオサえても下辺の幅は狭いのでは、と問いかけているのだ。

 趙は3分で、答えを出した。「この幅で十分、けっこうだ」と黒27にトビ。すぐ白29と止めるのでは、下辺の幅が大きいことを認めてしまうので、白は手を抜いて28と大場に先行する。黒29のトビにも、黒の言い分を通さないために受けるわけにはいかない。黒は当然、31と一発へこます。

 王「どっちがいいかなんて分かりませんね。分かってたまるか、という思いもあります。まあ、右辺白にうまく食いつけたら、僕は黒を持ってみたいと思いますが」

(内藤由起子)

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