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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第17局  観戦記 >
黒山田規三生  九段   対   白高尾秀紳  本因坊

さらさら

2008年05月09日

 リーグ序列1位の高尾と、2位の山田の一戦。この顔合わせでまず浮かぶのは、一昨年の本因坊戦だろう。高尾が山田を4勝2敗でくだし、初防衛を果たしたシリーズだ。

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棋譜

 記者はもう少し前の対局を鮮明に思い出せる。もう5年も前になる。名人戦の予選決勝でぶつかり、山田が初の名人戦リーグ入りを決めた。大一番なのに、高尾がさらさらと打っていた印象が強い。いや、それは棋力不足からくる勘違いだったのだが……。この碁も同じような錯覚を記者に与えた。

 4手目まですべて星という、最近では珍しい布陣。黒7から11と白の二連星の間で治まれば黒に不満はないとの考えは、現代ではもう通用しない。白も14と割り打てれば、そろばんの合う取引だ。

 注意をひとつ。右辺を打つなら、黒15など上からのツメしか考えられない。「黒15で17は白A、黒Bのあと、右下隅のガードが甘いのです。三々に入られたら無条件で生きられてしまう。観音ビラキという悪形です」と解説の三村智保九段。

 たとえ一手入れて地にしても、計4手もかかっている。バランス的にもいまひとつだ。

 白16もここまで進めたい。白Cの二間ビラキは黒Dと換わり隅が大きく、白はまだ攻めを狙われる。

 黒17なら白18と三々に入る予定。ここから高尾の「さらさら碁」が始まる。

(松浦孝仁)

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