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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第17局  観戦記 >
黒山田規三生  九段   対   白高尾秀紳  本因坊

後手が好き

2008年05月09日

 記者室では、黒89の抜きを厚いと見て、黒よしの意見ばかりだった。午後4時、朝から漂っていた長期戦の雰囲気が薄れつつある。ところが、勝つのは黒ではなく白だった。さらさらと打ってきた高尾が、そのままゴールする。マジックを見ているかのような高尾の仕上げは、左辺白90のツケから始まった。

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棋譜

 三村「黒から122へ出るのが左辺を盛り上げて大きい。しかし、直接守るのでは足が遅い。そこで白90です。黒91から97に白98が省けず後手ですが、計算ができていました」

 山田も気づいたようだ。黒99は参考図の黒1から3と構えたほうが、より細かくなる。しかし、本譜の白99を占められると、どうしても足らない。マギレを求めたのだろう。

 白100の捨て石も見事に決まった。地合い不利を認識している山田に反発する手段がないのだからしようがない。白114まででまたもや後手だけれど、「本因坊は後手が好き」という説もある。左下は大模様になった。

 黒119は目いっぱいの踏み込み。高尾はさらさらと白128まで反発もしない。これで盤面勝負の形勢という。

(松浦孝仁)

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