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黒井山裕太  七段   対   白陳嘉鋭  九段

左上に火種

2008年05月30日

 すっかり著名棋士の仲間入りをした井山裕太が主役に躍り出ている。気がつけば、序列上位陣は2敗者と3敗者ばかり。ただ一人の1敗は、まだ18歳の若武者だ。4月17日、陳嘉鋭の所属する関西棋院で本局を迎えた。

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棋譜

 名人戦リーグ初参加の両者。ともに3局を消化した状況は「明と暗」といえようか。53歳の陳は、そろそろエンジンをかけなければ残留があやうい。

 井山には最近まで、関西棋院棋士との対局でちょっとした記録があった。プロになって21戦負けなし。3月に記録が途絶えて、それ以来となる関西棋院棋士との対戦だ。勝負にはメンタルが大きく影響する。連敗ともなれば一転、負け癖がつくかもしれない。

 左上黒5に白6、左下黒11に白12。黒の二つのカカリに、白はいずれもいっぱいにハサみ、まずは左辺一帯が戦場となる。

 黒13のカケは14分、白14のハイは17分。井山は戦いの方針を定めるために、陳は白A、黒B、白Cと出切る変化との比較に費やした時間だろう。

 黒19の打ち込みには白20とコスミツけて様子を聞いてみたい。やわらかな発想にみえた黒23のカケは「黒D、白E、黒Fの進行と悩みました。実戦はよくなかったかもしれません」と井山が反省した一手だった。

 白26とカカえて、早くも左上に火種ができた。

(伊藤衆生)

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