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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第23局  観戦記 >
黒 高尾秀紳  本因坊   対   白 坂井秀至  七段

頑固な高尾

2008年6月20日

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棋譜

 佳境に入ってきた名人戦リーグ。リターンマッチを目指す高尾と初挑戦を狙う坂井、2敗者どうしの激突だ。4勝1敗でトップを走る井山裕太七段との直接対決ですでに敗れているふたりは、ひたすら2敗をキープして待つよりない。

 高尾は初手からほとんどノータイム。黒1、5、7とミニ中国流を敷き、勢いそのままに黒9のハサミから23までよく見る定石を完成させた。白は24のカカリから28、30と切り違ってさばくのがよく、「ミニ中国流と右下の定石の組み合わせは、世界的には黒が悪いとされています。模様が小さいと見られているのでしょう」と解説の溝上知親八段。立派に見える右辺の幅は、全局的には意外にも評価が低い。

 悪いといわれても、依田紀基九段や今村俊也九段ら手厚さを好むタイプはよく打っている。高尾もそうだ。

 以前、高尾は黒31でAに引いて、白Bのカカエ、黒Cのアテ、白Dのツギ、黒Eのハイの変化を2回試み、2回とも負けているという。「高尾さんの勝率が悪い布石なので、坂井さんはこうなるよう狙ったのかもしれません」と溝上解説者。事前研究に怠りない坂井のことだ。十分考えられるだろう。

 本局、高尾は黒31とカカえた。ここまでたったの4分しか消費していない。頑固なまでの予定の行動だったのか。

(内藤由起子)

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