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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第29局  観戦記 >
黒 陳嘉鋭  九段   対   白 高尾秀紳  本因坊

変則的

2008年8月1日

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棋譜

 前名人の高尾秀紳本因坊。まだ挑戦の可能性はあったとはいえ、リーグ残留も確定できていなかった。すでに3敗を喫しているなんて、開幕前に予想できただろうか。遅まきながらの4勝目をめざす対陳嘉鋭九段戦は、6月19日、日本棋院東京本院で打たれた。

 まずは右下の形がおもしろい。Aにあるはずの白石が22にある。

 原因は変則的な黒21のツギだ。「久々に見たねえ」と検討陣は声をあげ、高尾も局後、「定石を外されて、どうしたらいいのか困った。僕もアマチュアと一緒だね」。白20に黒23、白A、黒21となる基本定石よりも黒は右辺方面が厚く、白は地にからい。陳は厚みを生かす作戦だ。

 ちなみに21の前に黒22、白Bを利かせると思うのは勝手読み。黒22に白C、黒D、白23と動かれる。興味のある方は研究していただきたい。

 左上白24、26で黒を攻める高尾に、陳の黒27がまたも変則的、いや、なんとも強気だ。

 「黒30のケイマならば普通。結果的に27は打ち過ぎだったでしょう」と解説の片岡聡九段。白28のカケから32の封鎖が厳しい。

 黒35、37はちょっとした誘いの手段。白38でE、黒F、白Gは黒Hのカケツギで上辺を渡ることができる。

 早くも険しい局面。黒39のツケを見た高尾は、「わかんない。わかんない」とぼやき出した。

(伊藤衆生)

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