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< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第32局  観戦記 >
黒 趙治勲  25世本因坊   対   白 山田規三生  九段

気にならない

2008年8月22日

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棋譜

 7月10日、日本棋院関西総本部はいつになく緊張した空気に包まれていた。本局の結果によっては、8月の最終ラウンドを待たずに井山裕太の名人挑戦が決まるからだ。

 その井山は山田規三生―趙治勲戦のとなりで、棋聖戦リーグを片岡聡と打っている。ついたてにさえぎられてのぞき込むわけにはいかないが、石音もため息も伝わってくる至近距離。あとで井山に確かめたら、「となりはまったく気になりませんでした」という。周囲の空気や他人の碁に影響されるほど、ヤワではないのだ。記者もしばらくは井山の存在を忘れ、盤上に集中しよう。

 趙の黒番。考慮わずか1分の黒7に、おやっと思う。前ラウンドの井山との大一番では白4が一路下の小目にあって、趙は熟考の末、黒Aの三間ビラキを選んだ。きょうは序盤に時間を使わないと決めているのか。

 いや、そうではなかった。黒9に22分、11に20分と存分に考え、いつもの趙に戻った。

 解説は井山の師、石井邦生九段。

 「韓国のイ・チャンホは黒17で25に打ったことがあります。続いて白Bに黒C。これも一局でしょうね。白18はDあたりの大場も有力でした」

 黒19に昼食休憩をはさんで51分。完全に趙だけの世界に入ったようである。白24までと所帯を持てば、黒25は当然だ。

(春秋子)

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