現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. 名人戦観戦記
  5. 記事

< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第36局  観戦記 >
黒 山田規三生  九段   対   白 陳嘉鋭  九段

  • 第1譜 1〜171手

遠かった1勝

2008年9月19日

【黒中押し勝ち】171手完

打ち手再生 | 使い方

棋譜

 きょうから七番勝負が始まる。先を急がなければならず、挑戦にもリーグ残留にも関係のないリーグの最終戦の本局は、総譜でお伝えするしかなかった。

 勝負に「たら」とか「れば」といってもあまり意味はないが、リーグ最終盤になると、あのとき勝っていたらとホゾをかむものだ。山田規三生にとっての「たら」は7月の対趙治勲戦と思う。前半の非勢をよく立て直し、勝ちが見えた瞬間の突然の後退。これに勝っていたら、本局は挑戦を争う大一番になったかもしれず、間違っても総譜で紹介することはなかった。

 ちょっとだけ盤上に注目。陳嘉鋭は序盤早々の白20(3の十一)でリズムを狂わせてしまった。

 陳「足が遅すぎる。白20を生かすためにも22(2の四)と行きたくなるけれど、何回も手を抜かれて参った」

 白20、22の2手と黒21(16の十七)、23(17の十一)の連打を比べると、黒に軍配があがるのは明らかだ。その後、白72(17の九)、74(14の四)と懸命に追いすがったものの、黒に的確に応じられ、差は開くばかり。

 陳の1勝はじつに遠かった。しかし井山裕太を完敗寸前に追い込んだり、依田紀基をタジタジさせたりした打ちっぷりはたたえられていい。名人戦リーグに熱戦賞があれば、記者は依田―陳戦に差し上げたい。

(内春秋子)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内