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< 第33期名人戦七番勝負第2局  観戦記 >
黒 井山裕太  挑戦者   対   白 張栩  名人

タフな挑戦者

2008年10月10日

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棋譜

 井山裕太挑戦者の初陣、第1局の戦いぶりはいかがでしたか。

 挑戦者自身「後悔する手がなかった」というほどの自信作ができあがった。「井山さんは思ったより強かった」と、張栩名人に認めさせたのは、今後の戦いに大いに効いてくるだろう。

 それにしても強く印象に残ったのは、タフで落ち着いた若き挑戦者の態度だ。

 対局前日も打ち掛けの晩も、ちゃんと眠れ、普段よりやや少ないながら食事もしっかりとったという。

 誰でも緊張するのは当然だ。羽根直樹本因坊は初めての番碁で眠れない経験をし、それから眠る努力をし続けているそうだ。元名人の依田紀基九段だって、最初の名人挑戦では「眠れない」といってホテルのロビーをうろついていたものだ。

 さて第2局の舞台は、大津市にある比叡山延暦寺会館。名人戦が滋賀県で打たれるのは、初めてのことだ。朝から快晴で、眼下に雄大に広がる琵琶湖が美しい。

 立会人の坂口隆三九段が「お時間になりました」と合図すると、井山裕太挑戦者はまずお茶をすすり、ひと呼吸。カメラマンが構え続ける中、たっぷり1分を使い、第一着を打ち下ろした。ふだんからその日の気分で布石を決めているという。

 対照的に、作戦を練って臨む名人は、ノータイムで白2の星に向かった。

(内藤由起子)

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