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< 第33期名人戦七番勝負第4局  観戦記 >
黒 井山裕太  挑戦者   対   白 張栩  名人

名人戦も天王山

2008年10月31日

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棋譜

 10月7日。第4局の対局場、名人戦の定宿「あたみ石亭」へ向かう。東京から熱海まで新幹線で1時間弱。駅弁を楽しむのにも一眠りするのにも中途半端な時間だ。あれこれ名人と話し込めばあっという間ともくろんでいたら、どうにも話しかけづらくて困った。まあ、会話がほとんどなかったというのも立派なニュースだろう。

 熱海駅で名人を見送り十数分、新大阪発の挑戦者を待つ。注目の19歳は、これからアルバイトに行くような雰囲気だった。ジーンズ姿がよく似合う。こちらにピリピリムードはまったくない。

 「明日、いよいよ勝負だね」と声をかけると、「そうですね」と答えて、笑った。断っておくが名人戦の話ではない。プロ野球、セントラルリーグの天王山、今シーズン最後の巨人阪神戦のことだ。

 ただ、あの笑いは何だったのか。応援するタイガースを信じてのものか、それとも「名人戦も大勝負なのは分かっているでしょう」といいたかったのか。まあ、あれこれ勘繰らせるようなカンロクが19歳の挑戦者に備わっているということだ。

 大一番は意欲的な石組みで始まった。白4の三々、さらに左辺がこの構えのときに白8、黒9も珍しい。解説は小林覚九段。

 「黒9でA、白B、黒C、白Dの進行だけはあり得ません。ゆっくりした白ペースになります」

(松浦孝仁)

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