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< 第33期名人戦七番勝負第5局  観戦記 >
黒 張栩  名人   対   白 井山裕太  挑戦者

天王山

2008年11月21日

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棋譜

 青森に始まって比叡山、高山と転戦した名人戦は、第4局の熱海から前夜祭などのイベントがなく、対局に専念してもらうため、近場シリーズに移った。ここまで2勝2敗。あらためて仕切り直しである。

 静岡県伊東市「わかつき別邸」での第5局の一行を出迎えたのは、中庭で遊ぶリスと高さ10メートルはあろうかというキンモクセイの巨木。香りもさることながら、風が吹くたびに花が落ち、黄色のじゅうたんを敷きつめたようになるさまは壮観だった。

 しかしその香りもリスの動き回る音も対局室には届かず、重苦しい空気が支配した。10月15日午前9時、王銘エン立会人が「時間になりましたので」と声をかけると、両者が「お願いします」とあいさつをかわして、天王山の一局が幕を切って落とされた。

 名人の黒5に注目。17のカカリの有無にかかわらず黒Aと構えるのが一般にミニ中国流と呼ばれる道策流だ。もっとも300年以上も前の本因坊道策は、二子置かせて試みるケースがほとんどだった。さて、最近よく見かける黒5は何と呼ぶべきか。ミニミニ中国流との声も出かかったが、何とも安っぽい。いい名前があれば教えていただこう。

 挑戦者は3分の少考で白6のカカリ。名人の黒5を予想していたのかもしれない。

(春秋子)

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