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< 第33期名人戦最終予選2組決勝 観戦記 > 戦意喪失2008年01月04日 黒5のコスミに、苑田は5分ほど考え白6と右辺に転じた。記者室で検討していた湯川光久九段は「それ大きいの? 黒7にハワれてはおかしいな」。湯川九段のいうとおり、なんとしても白は7にオサえるべきだった。黒44と上から利かされるのは不愉快だが、オサえなければ勝負にならなかった。
苑田は「このあたり、もうだめかと思っていました」。戦意喪失していたようだった。 「世界の若者は、これくらい悪くてもへばりついて、1目半くらいの差までもっていきます。僕もそうですが、苑田さんも年齢がいって経験も豊富になった。経験はいいことばかりではありません。治勲さん相手にこうなっては勝てないと思って、あきらめてしまったのでしょう」と小林覚解説者。 白12を見て趙の動きが激しくなってきた。「いけね、いけね。やっちゃったよ」。自分のほおをたたき、ゴムボール状の健康器具を激しく何回も握りながら「見ちゃおれんよ」と吐き捨て、また、ばしんと音を立ててひっぱたいた。 この殺気立った雰囲気を久しぶりに味わい、ぞくぞくした。最近の若い世代、張栩名人や高尾秀紳本因坊のなんとおとなしいことか。 「本気でこられたら、中央の黒、死んでいたかもしれない。形勢いいから怖いよね」と趙は局後いっていたが、記者室では石田芳夫九段が「もう逆転はありません」と断言していた。 (内藤由起子) |
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