現在位置:asahi.com>囲碁>名人戦観戦記> 記事

< 第33期名人戦最終予選2組決勝 観戦記 >
黒趙治勲  十段   対   白苑田勇一  九段

鬼が戻ってきた

2008年01月04日

【黒4目半勝ち】219手完

 「序盤、白よかったと思いますが、なんかゆるんだねえ」と苑田。名人戦予選決勝に3度目の進出だったが、苑田はまたしてもリーグ入りを果たせなかった。

打ち手再生 別ウインドウで開きます | 使い方

棋譜

 一瞬のスキをとらえ、白32(6の十七)と鋭い感性を見せてくれたが、そのあとはなぜか踏ん張りがきかなかった。「苑田さんは、いわゆる碁打ちらしいタイプ。一流の棋士と研鑽(けんさん)できるリーグに入りたい気持ちが、悪い方に働いたのでしょう。白42(11の十五)、44(13の十五)に象徴されるように、堅くなっていましたね。リーグ入りの経験が1回でもあれば、もっと思い切って打てたでしょうに」と小林覚解説者。

 趙は「全然悪かったので、だめかと思っていました。ラッキーですね」と言ってはいたが、よくなってからの安定感は抜群だった。

 黒43(14の七)の天王山を占め、45(6の四)あたりから、のびのびと自然な手を重ね、着実に勝利に結びつけた。

 趙は2年前に十段に復位し、名人戦リーグにも再び出場権を得た。さらに新年早々始まる棋聖戦の挑戦者にも、張名人を倒して名乗りをあげている。「七番勝負の鬼」完全復活へのシナリオは、着々と進んでいると見てよさそうだ。

 小林解説者も「リーグにいて当たり前の人。昔を思い出したら最強です。名人挑戦候補として当然あげられるでしょう。僕も今回は初参加の気持ちでやっていかないとね」。

(内藤由起子)

このページのトップに戻る