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囲碁名人戦七番勝負 第2局2日目ダイジェスト

写真張栩名人に連勝した挑戦者の井山裕太八段(左)=18日午後、大津市の比叡山延暦寺会館、荒元忠彦撮影

棋譜拡大〈最終図〉先番・井山八段(292手まで) 232コウ取る(138)、235同(229)、238、241、244各同、246ツグ(191)、247コウ取る(229)、250同(138)、253、256、259、262、265、268各同、270ツグ(229)、272コウ取る(14)、273ほうり込む(203)、274一子取る(215)、275コウ取る(269)、278同(14)、280ツグ(269)、290同(27)

写真井山挑戦者の師匠、石井邦生九段(右から2人目)が検討室を訪れ、検討陣に加わった=大津市の比叡山延暦寺会館

写真検討室では地元関西の棋士たちが様々な検討図を作っている=大津市の比叡山延暦寺会館

写真拡大「13の七」を示した封じ手

写真封じ手が開封され、「13の七」に打つ挑戦者の井山裕太八段=大津市の比叡山延暦寺会館

 ◆挑戦者「最後はダメかと思った」

 勝利目前の井山挑戦者がヨセでミスをしたため終盤に張名人が猛追。最後は半目での決着だった。冷や汗の勝利となった挑戦者は「ひどい損をして、最後はダメかと思った。運が良かった」と振り返った。

 黒地38目、白地31目。コミを差し引いて黒半目勝ちを確かめた両対局者は、整地された石を崩さないまま、互いの感想を述べ合った。

 名人は1日目の白48のアテを後悔。「出遅れてしまった。この手で右辺に割り打っていればいい勝負だったかもしれない。苦しい場面が多かった」と語った。一方、挑戦者も1日目の内容については不満だったようで、「黒33のノゾキに白34と打たれるのは予想になかった。左上を止めて厚みを築いたのは予定の行動ではありません。ずっと自信はなく、苦しかった」。

 2日目は黒が右辺の白を攻める展開で、黒103などは、単なる攻めではなく白を取りに行っているとさえ思わせた。「確かに、半分くらい本気でした。いや、難しかった」などと微妙な対局心理を明かした。

 左辺黒119と切った時点では「盤面で10目くらい黒がいい」(名人)という形勢。挑戦者本人が優勢を意識したのもこのあたりだった。だが、挑戦者がヨセでミスをして形勢は混沌。名人が得意のコウで猛追したときには、検討室では一時、白の逆転半目勝ちの変化図さえ出ていた。名人は「最後は相手のミスで細かくなりましたが、逆転のチャンスはなかったと思います」と話した。

 ◆挑戦者が連勝

 大津市の比叡山延暦寺会館で17日から打たれていた第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は、18日午後5時33分、挑戦者の井山裕太八段(19)が張栩名人(28)に292手までで黒番半目勝ちし、対戦成績を2勝0敗とした。持ち時間8時間のうち、残り時間は井山挑戦者が2分、張名人が1時間42分。第3局は24、25の両日、岐阜県高山市の高山グリーンホテル天領閣で。

 ◆終盤、波乱か

 黒優勢のまま、すんなり終局するとみられていたが、白が、ヨセの得を狙って中央の黒地のなかに手段を求めたあたりから検討陣の様子が慌ただしくなった。

 挑戦者はすでに秒読みに追い込まれている。果たして結果は?

 ◆終局近し

 午後3時半現在、局面は小ヨセへと向かっている。解説の結城九段は「盤面で黒が10目以上勝ちそうだ。終局までそれほど時間はかからないだろう」と話している。

 ◆師匠、登場

 午後2時前、井山挑戦者の師匠、石井邦生九段が検討室に姿を現した。「あんまりよく見てないけど……」と言いながらも、愛弟子のことが気になるようで、検討陣の輪の中に加わり、「1日目はどうだった?」「残り時間は?」としきりに質問。「悪くはないようだ」と聞いて、「勝ってくれるといいんですがね」と笑顔を見せた。

 対局の進行の速さに合わせて、検討室は午後の早い段階から多くの棋士たちの熱気であふれている。

 ◆挑戦者優勢か

 2日目の午後に入り、「中央に大きな黒地ができて、挑戦者優勢」の声が高まってきた。黒119の切りが上下の白が連絡するのを防いで大きい。白は120から右上に手をつけ、122、126で黒地を減らしたが、「黒の中央の手厚さには及ばないのではないか」という見解が出ている。

 ◆再開

 午後1時、定刻通りに再開した。名人はほどなく「14の五」にナラんで、黒三子の逃げ出しを防いだ。

 ◆名人の考慮中に昼食休憩

 名人が118手目を考慮中に昼の休憩に入った。残り時間は名人(白)3時間36分、挑戦者(黒)1時間43分。午後1時に再開する。

 ◆検討室に地元棋士ぞくぞく

 検討室には、午前中から地元関西の棋士らが続々と詰めかけ、対局を見守っている。

 立会人の坂口隆三九段や後藤俊午九段ら、井山挑戦者が所属する日本棋院関西総本部の棋士のほか、関西棋院からも常務理事の今村俊也九段や清成哲也九段、若手の瀬戸大樹六段らが加わった。変化図を作っては崩し、崩しては作りと、盤面にいくつもの検討図が作られている。

 一時は白を本気で殺しにいくとみられた挑戦者だが、黒107で中央を囲う地合いの勝負に。色めき立っていた検討陣も冷静にもどり、「ヨセ勝負になりそうです」と結城聡九段。

 ◆挑戦者、本気モード?

 挑戦者の封じ手黒89は右辺の浮いた白に迫った一手。黒からは様々な迫り方があるなかで「井山さんらしい、やわらかい手」という評判だった。だが、その後の進行を見ていくと、実は恐ろしく攻撃的な手なのかもしれない。

 名人の白90ハネに黒91で形を崩して93のボウシ。ここまでは「白を攻めながら中央の黒模様をまとめる」という常識的な構想。検討陣が「あっ」と声を挙げたのは、黒が103から白に迫った場面。模様をまとめるというよりは、白を本気で殺しにいっているかのようである。坂口立会人は「白を自陣に追い込んでいるね」。早々と検討室に顔を見せた清成哲也九段は「封じ手(黒89)からすでに本気のような感じやね」。

 ◆封じ手は13の七

 張栩名人(28)に井山裕太八段(19)が挑戦している第33期囲碁名人戦第2局が18日、大津市で再開した。

 午前8時52分、挑戦者が入室。布で盤を磨いて名人の入室を待った。同55分、名人が入室した。午前9時、立会人の坂口隆三・九段が「時間になりました」と告げ、1日目の手順を再現。封じ手の「13の七」が告げられ、2日目の対局が始まった。

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