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挑戦者が封じ手 囲碁名人戦第3局1日目ダイジェスト

棋譜拡大〈途中図〉先番・張名人(93手まで)

写真対局室の掛け軸

写真昼食休憩後の張名人

写真昼食休憩後の井山挑戦者

写真第一着を打つ張栩名人(右)。左は挑戦者の井山裕太八段=24日午前9時、岐阜県高山市、恵原弘太郎撮影

 午後5時33分、井山挑戦者が94手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち、消費時間は張名人2時間55分、井山挑戦者4時間38分。25日午前9時に再開する。

◆ツケツケ作戦

 左辺白48のツケで相手の出方を見た挑戦者は、黒49のコスミを見て一転、左下白50にツケる。続く白52は、白48と50の両方の動き出しを見た手だろう。

 名人は黒53で左辺の白を取り込み、挑戦者が白74までで左下隅を生きる変化へと進んだ。

 黒75に対し、白は右上隅76のツケから右辺78のツケ。今日の挑戦者はツケを基調に局面を動かしている。

◆対局室の掛け軸

 対局室の床の間には「龍生金鳳子」と書かれた掛け軸が掲げられている。禅文化研究所(京都市)によれば、臨済宗の開祖・臨済義玄の語録を集めた「臨済録」の中にある言葉で、「龍は金鳳子(きんぽうす)を生ず」と読む。意味は「すぐれた師のもとから、すぐれた弟子の生まれること」だ。林海峰名誉天元という師にして張栩名人という弟子あり、石井邦生九段という師にして井山裕太八段という弟子あり、ということを考えさせる言葉だ。

◆挑戦者、左辺で動く

 再開後の名人の黒43から47は、下辺の白の勢力圏を意識した「消し」の常套手段。続いて挑戦者は左辺白48にツケた。

 白48は黒がどう受けるかを問うた「様子見」の一手だ。左辺一帯の黒は薄く、挑戦者はこのツケから動いた。名人が黒49とコスんで、互いの読み合いになっている。

◆対局再開

 午後1時、対局が再開された。名人は1分ほど考え、43手目を10の十六に打った。

◆昼食休憩に

 名人が43手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は、名人56分、挑戦者2時間4分。午後1時に再開する。

◆戦いが一段落

 黒9が左上隅の白2子を攻める厳しい手で戦いが始まった。上辺白18に迫った挑戦者に対して、名人が黒23、25から地を稼ぎ、左辺黒35に回って一段落。早々に始まった戦いは一転、落ち着いた展開になった。

◆張―高尾戦と同じ進行

 序盤の数手から興味深い進行になった。黒7とケイマした形は、昨年の高尾紳路名人―張栩挑戦者による名人戦七番勝負で3局も現れた(手順の違いはある)。張名人は、昨年の激闘を思い起こしたに違いない。「張名人の棋譜は、よく研究しています」という井山挑戦者も、高尾―張戦を意識しながらの進行だろう。白8までは昨年の名人戦第6局とまったく同じ手順。名人が黒9で変化した。

◆中部棋士の見どころ

 対局場となる高山グリーンホテル天領閣で23日夜に開かれた前夜祭では、両対局者が退場した後、中部を代表する棋士たちが対局の見どころについて語った。

 立会人の羽根泰正九段は「井山君は10代でタイトルを取ると思っていたから、2連勝は何の不思議もない。立会人ですから両方に頑張ってもらいたいですが、明日は非常に楽しみですね」と話した。新聞解説の彦坂直人九段も井山挑戦者について「これからどれくらい強くなるのか。碁を見るのが楽しみな棋士の一人です」と期待を寄せた。

 現地大盤解説担当の今村善彰九段は「先番の張名人が仕掛けていく展開になると思う。1、2局は打ち方が冒険ぎみだったような気がした。今回は負けられない碁ですから、どうなるか」。NHK衛星放送解説の中野寛也九段は「1、2局は井山挑戦者が堂々と寄り切った。プロは連敗するとつらい。張名人は今回相当なプレッシャーがかかる。どう立て直してくるか。どんな碁が見られるか非常に期待しています」と語った。

◆対局開始

 張栩名人(28)に井山裕太八段(19)が挑戦する第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が24日、岐阜県高山市の高山グリーンホテル天領閣で始まった。ここまで2連敗の名人が1勝を返して反撃に転じるか、挑戦者が3勝目を挙げて名人位奪取に大きく前進するか、注目の一番だ。

 午前9時、定刻通りに対局開始。黒番の張名人が17の四、右上隅小目に第一着を打ち下ろした。

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