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囲碁名人戦七番勝負 第4局1日目ダイジェスト

写真封じ手を立会人の武宮正樹九段に渡す張栩名人

写真拡大<途中図>先番・井山八段(83手まで)

棋譜拡大<途中図>先番・井山八段(81手まで)

写真検討室の1コマ。右が立会人の武宮正樹九段。中央がネット解説の武宮陽光五段。左が新聞解説の小林覚九段。

写真対局室へ続く敷石の通路

写真第一着を打ちおろす井山裕太挑戦者

●○白のサバキに注目/武宮陽光の目●○

 名人の白76から80は気づきにくいですが、実戦的な手でもあります。76では71の右にハネるのが本線と思ったのですが、下辺の一団の白の嫌みを気にしたのかもしれません。黒81から83と出切られて、一見苦しそうに見えますが、これは当然名人の読み筋のはず。2日目は、白がこれからどうサバくのかが注目です。

◆1日目終わる

 午後5時半、名人が84手目を封じた。消費時間は挑戦者4時間24分、名人3時間6分。

 控室には、挑戦者と同じ日本棋院関西総本部所属で常務理事の後藤俊午九段が姿を見せた。前日、東京で用事があり、帰り道だという。

 後藤九段は「挑戦者が開幕局から連勝して、関西は一気に盛り上がった。1勝を返されたので、この第4局がまさに勝負どころ」と話す。「この2人の対局はどう打ってもいい勝負になる。明日が楽しみです」と期待を込めた。

●○戦いは上辺へ/武宮陽光の目●○

 黒63から71は中央の白に働きかけながら、上辺の白を攻めようという手ですが、中央の白にも好形を与えるので勇気のいる手です。

 黒73ではAとトンで白を分断するのが気合かなと思いました。白が中央をハネていった時に、72、73の交換が白にとって利かしになりそうです。

●○白が中央をうまく整形/武宮陽光の目●○

 黒43までで出来上がった形が、白36が明らかに一本利いた形で、白がうまく形を整えた格好になりました。白44は本手で自信の一着。下辺に打ち込む手もあったかもしれませんが、これで十分とみたのでしょう。黒55とヒラいた手は意外でした。当然、白56と切られて気持ち悪い形ですが、挑戦者はツギは利かされとみたのかもしれません。黒57は中央の白に迫りながら、下辺の薄みをカバーしようとした手です。

 白58から上辺へと手が移りましたが、下辺もまだ治まった訳ではなく、黒としては少し気持ち悪さが残りました。

●○名人、積極的な動き/武宮陽光の目●○

 白26は、黒からの出に備えながらワタリも防いだ頑張った手で、あわよくば左下の黒の壁を攻める狙いもあります。白36のノゾキに対し、黒37とツいだところでは、反発したいところですがやむを得なかったでしょう。白38は左辺の黒に低位を強いる狙いです。ここで挑戦者は黒39とツケて薄みに備えましたが、こうなると36、37が大変な利かされになっているので、黒35で先にツケて整形した方が良かった気がします。名人の積極的な動きに、挑戦者が対応するという展開が続いています。

◆10回目の名人戦

 あたみ石亭(静岡県熱海市)で囲碁名人戦が打たれるのは、今回で10回目。大竹英雄名人−林海峰挑戦者、今回の立会人の武宮正樹名人―趙治勲挑戦者、依田紀基名人―山下敬吾挑戦者(いずれも当時)といった名勝負が繰り広げられてきた。張栩名人は昨年、高尾紳路名人(当時)にここで勝ち、名人に返り咲いた。日本全国から由緒ある銘石を集めて造られた庭園に、京風数寄屋造りの離れ屋が点在する、閑静なたたずまいは多くの棋士から愛されてきた。対局室へ続く敷石の通路にも風情がある。

◆再開

 対局室に挑戦者、名人の順で入り、午後1時に再開した。挑戦者は依然、考えている。

◆昼食休憩に

 挑戦者が35手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は挑戦者が1時間55分、名人が1時間5分。

●○名人、意気込みの白シャツ/武宮陽光の目●○

 おはようございます。武宮陽光です。第4局のネット解説を担当します。

 七番勝負は偶数局が大事と言われますが、今局は名人が2勝2敗のタイに戻すのか、挑戦者が3勝1敗と奪取に近づくのかを決める大変大きな1局です。

 対局開始にあたり、まず名人の服装に目がいきました。いつもは黒っぽいダーク系のシャツを着ていますが、白いシャツはここ最近では見たことがありません。この1局に対する意気込みを感じました。

 開始7手までは落ち着いた進行になるかと思われましたが、名人が白8と左下にカカった手が積極的な一手(左辺星脇ぐらいにハサめば普通)。挑戦者も黒9と反発して局面が動き始めました。

   ◇

 たけみや・ようこう

 五段。77年生まれ。98年入段。立会人の武宮正樹九段は実父。昨年に続き、asahi.comでの解説を担当する。

◆名人、じっくりと

 白4の三々は名人にとっては珍しく、左上白6とコスんで落ち着いた進行を選ぶ。ペースはゆっくりで、普段、序盤をハイペースで打つことの多い名人が、じっくりと構想を巡らせている。

◆対局始まる

 張栩名人(28)に挑戦者の井山裕太八段(19)が2勝1敗とリードして迎えた第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が8日、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で始まった。

 午前9時、立会人の武宮正樹九段が「時間になりました」と告げると、挑戦者が第一着を右上小目に打ち下ろした。

 第3局で1勝を返した名人が2勝2敗のタイに追い付くか、挑戦者が史上最年少の名人獲得へあと1勝とするか。

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