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囲碁名人戦七番勝負第5局2日目ダイジェスト

写真第5局を制した張栩名人

図拡大<最終図>先番・張名人(242手まで)211ツグ(54)

図拡大<途中図>先番・張名人(200手まで)

写真拡大<途中図>先番・張名人(174手まで)

写真拡大<途中図>先番・張名人(125手まで)

写真拡大<途中図>先番・張名人(110手まで)

写真井山裕太挑戦者(左端)の封じ手が開かれた

●○見どころ十分の名局/武宮陽光の目●○

 見どころ十分の名局でした。序盤は名人の模様、挑戦者の実利という1〜4局目とは違う珍しい展開に。白46と消しにいったところから、激しい戦いに突入しました。黒の最強の攻め、白も最強に応じて1日目から見応えのある攻防が繰り広げられました。

 その後、黒が左下の捨て石をうまく活用して、中央の黒地を大きくまとめたかに見えましたが、白126からの強烈な狙いが成功して半目勝負に突入。最後は、黒191から193のハサミツケがうまいヨセで、名人が勝利を呼び込んだと思います。

 2連敗後、3連勝で名人が一気に挑戦者をカド番に追い込みましたが、若いのに肝の据わった挑戦者ですから、当然巻き返しを狙っていることでしょう。互いに充実している実力伯仲の対決なので、6局目も面白い碁になることは間違いないと思います。次局も楽しみですね。2日間、どうもありがとうございました。

◆名人3連勝、防衛へあと1勝

 静岡県伊東市の「わかつき別邸」で打たれていた第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は、16日午後6時29分、242手までで黒番張名人が半目勝ちし、3勝2敗と防衛にあと1勝とした。持ち時間8時間のうち、残り時間は張名人が43分、井山挑戦者が1分。第6局は30、31の両日、静岡県伊豆市の「鬼の栖」で。

●○名人らしい鋭いヨセ/武宮陽光の目●○

 難しい半目勝負のヨセあいが続いています。191のコスミツケから193のハサミツケが鋭いヨセで、122、170の2子を取れてわずかにうまくやったように思います。どうも黒が半目残りそうな気配です。他のヨセでは白が残りそうでしたので、この黒のヨセが勝敗を分けたかもしれません。

●○挑戦者の強烈な鬼手!/武宮陽光の目●○

 驚きました。白126から130と2子を逃げた手が強烈な狙いでした。気づきにくいですが、打たれてみるとなるほど、筋の良い手です。白134に対して黒が下から当てると、144に打たれて白がつながってしまいます。白136に対して黒が144と切れれば良いのですが、それだと白に145と出られて逆に黒が崩壊してしまいます。切れないとなると、右辺の黒を生きるためにやむなく137とワタりましたが、157手まで白は先手で黒を締め付けながらかなり黒地を荒らしました。白130は、もし挑戦者が勝てば勝着となる、強烈な鬼手でした。

 黒としてはえらい目に遭った感じですが、計算してみるとまだ細かい碁で、信じられないことに半目勝負になるかもしれません。大変なヨセ勝負が続きそうです。

●○黒、中央のラインを止める/武宮陽光の目●○

 白112では、普通は44の上にノビたりハネたりするところですがそれでは苦しいとみた苦心の一着です。黒115では112の右にハサミつけた方が良かったのではないかという評判でした。それでも125までで中央のラインを止めることに成功したので、右辺がこのまま黒地になれば黒が良さそうです。

●○名人、鋭い一着/武宮陽光の目●○

 再開後、名人のツケは早かったですね。昼食休憩中に考えたのか、休憩前に決めていたのか。一番厳しく左下の白に働きかけた、名人らしい鋭い一着です。挑戦者の手が40分以上止まっていることから見ても、白の打つ手が難しいことがわかります。一気に形が決まりかねないので、白としても慎重な対応が求められる場面です。

◆対局再開

 午後1時、対局が再開された。名人は少考後、白44の右にツケた。

●○中央の黒地をにらみながらの攻防/武宮陽光の目●○

 白82から手は左辺へと移りました。これは手堅い手で、中央に打つ手もありました。黒83から85は味をつけにいった様子見の手です。86で90に打てば堅いですが、そうすると左下隅にコウが残ります。それではつらいとみて、実戦は86とサガって無条件で取りにいきました。106までで部分的には左下隅の黒は死んでいますが、黒も107、109と白の断点を突いて、白を締め付けることにより、黒の中央の模様を地としてまとめる狙いです。午後はその狙いがどれだけうまくいくかが焦点となります。

◆昼食休憩に

 正午になり、張名人が111手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は名人4時間14分、挑戦者6時間18分。

◆対局室の掛け軸

 対局室の床の間には「濯足萬里流」と書かれた掛け軸が掲げられている。禅文化研究所(京都市)によれば、中国の詩人・左思(さし)の詩の一節で、「足を萬里(ばんり)の流れに濯(あら)う」と読み、「大自然の中に帰して世俗の流れを洗い落とす」という意味。わかつき別邸によれば、「無心にかえれ」という左思の思いをくみとることができる言葉だといい、「勝負の世界もそれを極めるには『無心』が必要なのでは」と考えて対局室に掲げたそうだ。ちなみに左思はその著「三都賦(さんとのふ)」が好評で、「洛陽の紙価を高める」の故事を生んだ。

●○戦いはいったん収束/武宮陽光の目●○

 おはようございます。2日目もよろしくお願いします。

 封じ手のハネ出しは検討陣の本命でした。当初、激しい戦いが続くと思われましたが、昨晩の検討では、どうも黒がこれ以上最強の手を続けるのは無理らしい、という評判でした。黒73はほこを収めたという感じで、上辺での戦いはいったん収束模様です。一時はどうなるかと思いましたが、さすがトップ棋士同士が打つとうまく分かれるものですね。

◆再開、封じ手はハネ出し

 張栩名人(28)と挑戦者の井山裕太八段(19)が2勝2敗のタイで迎えた第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が16日、静岡県伊東市の「わかつき別邸」で再開された。

 午前9時、立会人王銘エン(エンは王へんに宛)九段の合図で1日目の手順を再現し、封じ手が開かれた。挑戦者の決断は上辺のハネ出しだった。

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