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囲碁名人戦七番勝負第7局2日目ダイジェスト

写真囲碁名人戦で防衛を果たした張栩名人=6日午後、甲府市の常磐ホテル、川村直子撮影

写真対局を振り返る張栩名人(右)と井山裕太八段=6日、甲府市の常磐ホテル、川村直子撮影

写真張栩名人(右)に敗れた井山裕太八段=6日午後、甲府市の常磐ホテル、川村直子撮影

棋譜拡大〈最終図〉先番・井山八段(236手まで)84ツグ(73)、184同(91)、185コウ取る(179)、233同(161)、236同(210)

図拡大〈途中図〉先番・井山八段(159手まで)84ツグ(73)

写真2日目に入り、検討室は多くの棋士でにぎわい始めた

写真井山裕太挑戦者(左端)の封じ手を読み上げる立会人の淡路修三九段。右端は張栩名人=6日午前9時すぎ、甲府市の常磐ホテル

●○素晴らしい名勝負/武宮陽光の目●○

 序盤、両者堂々とした進行から始まりました。ただ、右上黒39、41とツケオサた手が中央の厚みで打とうとしていた流れに反する手で、感触が悪かったように思います。その後、黒45のキリから戦いが始まりましたが、その戦いが左辺の眼のない黒の一団に絡んでしまったのがつらいところで、黒が打ちづらくなりました。封じ手前の黒63、65のツケギリに対し、白66とたたかれ、67と愚形につながされてしまっては、黒にとってはっきり嫌な展開になりました。

 それでも挑戦者は、しぶとく決め手を与えずに打ち進めていましたが、左辺での大変難解な攻め合いを名人が読み切って、自分の有利なコウにし、フリカワった段階ではほぼ勝負が決しました。名人の素晴らしい読みの深さが光りました。

 挑戦者を最後の最後で振り切った名人の底力は、さすが碁界の第一人者の名に恥じないものでした。またその名人と堂々と渡り合った19歳の若き挑戦者の戦いぶりも見事でした。この素晴らしい名勝負を第7局まで見ることができて、本当に良かったと思います。2日間ありがとうございました。

 ◆名人が防衛、史上最年少の名人ならず

 張栩名人(28)に井山裕太八段(19)が挑戦する第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第7局は6日、甲府市の常磐ホテルで打ち継がれ、午後5時35分、236手までで張名人が白番中押し勝ちし、対戦成績を4勝3敗として、防衛を果たした。持ち時間8時間のうち、残りは挑戦者8分、名人1時間5分。張名人は4期目の獲得。史上最年少、また関西所属棋士として初の名人位獲得はならなかった。

〈張名人の話〉 封じ手の辺りでは打ちやすいと思ったが、勝てると思ったのはヨセに入ってから。(挑戦者が19歳ということは)意識しないようにしていたが、負けたくない気持ちはあった。また来年も(名人戦を)戦えてうれしい。

〈井山八段の話〉 封じ手の局面では苦しいと思った。苦しい流れが続いて、チャンスはなかったと思う。自分の力は出し切ったが、実力が足りなかった。あこがれの舞台で尊敬する先生と7局打てて、いい経験になった。

●○黒、盤面でも苦しい形勢/武宮陽光の目●○

 戦いが終わって、いよいよ終盤に入りました。検討室でも色々なヨセの図を作っていますが、どうも盤面でも黒が足りないようです。もう味の悪いところもないので、形勢が動くことはないでしょう。

●○名人、着実な歩み/武宮陽光の目●○

 白152、156と名人は手厚く着実なヨセです。この展開で悪いはずがない、という自信の表れでしょう。挑戦者は黒157と左下の白をいじめにいきますが、白158とアテて死ぬことはありません。

●○素晴らしい名人の読み切り/武宮陽光の目●○

 大変なフリカワリになりました。左辺での大変難解な攻め合いの結果、白の方が圧倒的に負担の少ないコウになったことで、名人が攻め合いを読み切っていたことがわかりました。黒に生きを強要させた時点から、ここまで読み切っていたというのはとんでもない読みの深さです。フリカワリの結果、中央の黒がそのまま取られることになれば、明らかに白が得をしたことになります。

●○難解な攻め合い、勝負どころに/武宮陽光の目●○

 再開後、名人は白112とアテ、114とワタって、休憩前に続き黒の生きを強要しましたが、逆に黒から119と反撃する手が生じました。この手では、いったん追撃をやめて右辺の大どころに回った方が安全でしたが、このコースだと大変難解な攻め合いになりそうです。これは名人の読み切りなのか、手拍子なのか。思わぬところから大変な勝負どころを迎えました。

◆対局再開

 午後1時になり、対局が再開した。約2カ月にわたる戦いも、いよいよ最終局面を迎えた。

 名人は少考後、左下2の十四とアテた。

●○意外に難しい局面か/武宮陽光の目●○

 封じ手の局面では、挑戦者がかなり苦しい状況かと思われましたが、左上を無難にシノぎ、その後淡々と進んだ局面を見てみると、「意外に細かいのではないか」と検討陣の見方が変わってきました。ここにきて名人も慎重に時間を使うようになっているのを見ても、そのことがうかがわれる気がします。互いにどう打って良いのか、難しい局面です。派手な戦いが起こったのですが、午後はヨセ勝負が見られるかもしれません。

◆昼食休憩に

 正午になり、名人が112手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は挑戦者5時間42分、名人4時間48分。

●○挑戦者の返し技/武宮陽光の目●○

 上辺の戦いが一段落してから、両者時間を使って慎重に打ち進めています。白104と出た手は、左上の黒の一団の生きを強要した手ですが、黒105から107とノゾいた手が返し技で、名人の手が止まりました。挑戦者の読み筋だったのでしょう。小技が冴(さ)えました。

●○名人、手厚い進行/武宮陽光の目●○

 白が上辺をワタり、黒95と手を入れて左上の黒の死活にかかわる戦いは一段落しました。黒の眼もはっきりしましたが、上辺の白地も大きく、白に不満のない分かれです。

 中央白96とツケた手は厚い手です。90の左に、黒にツケ込されると、真ん中のラインが止まってしまって、白の眼形も危うくなります。96はそれを防ぎつつ、黒地ができそうな右下に進入しています。中央の力関係が逆に白の方が強くなってきました。

◆秋、深まる

 6日の甲府市の最低気温は6.4度。この秋1番の冷え込みだった。甲府盆地周辺の紅葉の見頃はこれから。ホテルから車で20分強のところにある昇仙峡も観光客でにぎわうという。

 午前10時過ぎ、名人があぐらを組んだ足の上にひざ掛けを置いた。寒がりの名人はシャツの上に薄手のセーターを着て、その上にスーツを着ている。

●○挑戦者、さすがのシノギ/武宮陽光の目●○

 封じ手後の進行は検討室でも予想されていました。その後、65、69の黒の2目を捨てる手順の検討もされていましたが、それではジリ貧とみて2目を助けました。「中央の白の一団もまだ眼がないでしょう」という主張です。封じ手の局面では危険だった黒の形がはっきりしてきました。苦しいながらも挑戦者、さすがのシノギです。

●○朝から勝負どころ/武宮陽光の目●○

 おはようございます。武宮陽光です。

 名人戦第7局もいよいよ2日目に入りました。挑戦者としては苦しい局面ですが、一晩かけてどんなシノギを考えてきたでしょうか。朝から早くも勝負どころを迎えており、目が離せません。

◆2日目始まる

 張栩名人(28)に井山裕太八段(19)が挑戦する第33期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第7局の2日目が6日、甲府市の常磐ホテルで始まった。3勝3敗で迎えた最終局。名人が4期目の獲得を果たすか、挑戦者が史上最年少で名人位に就くかがいよいよ決まる。

 午前9時、立会人の淡路修三九段が「時間になりました」と告げ、1日目の手順が再現された。挑戦者の封じ手は左上2の五のキリだった。

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