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女流囲碁界、下克上? 18歳女王に、実力者挑む

2008年4月22日15時30分

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写真女流名人を獲得して二冠に。故郷・台湾のメディアに取材される謝依旻四段=2月、東京都千代田区

 女流囲碁界がめまぐるしく動いている。18歳の謝依旻(しぇい・いみん)四段が大旋風を巻き起こし、四つある女流タイトルのうち、女流本因坊と女流名人の二冠を保持。プロ入り4年余りの新鋭がトップの地位に立ち、実力者たちが追うという構図ができあがっている。一方では女流名人戦の棋戦システムが変更。現行棋戦としては初の女性だけによるリーグ戦導入となる。

 ◆パワーあふれる棋風

 16人のトーナメントで争われる第27期女流本因坊戦の本戦が17日に開幕。鈴木歩女流最強位らが2回戦に進んだ。彼女たちがめざすのは謝女流本因坊への挑戦権だ。

 頂上で待ち受ける謝は、89年台湾生まれ。04年4月に日本棋院初段となり、06年12月、17歳1カ月で女流プロ最強戦に優勝(女流最強位)して、女流棋戦優勝の最年少記録をつくった。パワーあふれる棋風で、苦しい碁でも、乱戦に持ち込んで勝ちに結びつけてしまう。専門紙には「逆転の女王」の見出しが付いたこともある。

 昨年1月からの謝の対女性成績は26勝3敗(国際棋戦除く)という抜群の数字。昨秋、矢代久美子女流本因坊(当時)に挑戦した五番勝負で3連勝。2月の加藤啓子女流名人(同)との三番勝負でも2連勝し、あっという間に二冠を達成した。その5勝のうち4勝が半目勝ちだったことも、勝負強さを物語っている。

 ただ、実力的にずば抜けているとまではいえないようだ。師匠の黄孟正九段は「大きな波に乗っているけれど、タイトルを取れたのはたまたま。もっと布石のセンスを磨いてほしい」と注文をつける。本人も「内容的には良くない。昨年の女流本因坊戦は逆に3連敗でもおかしくなかった」。2月に女流名人を獲得した時は「逆転ではなく、完勝の碁も打ちたい」と言葉少なに語っていた。

 いまの女流碁界は実力者がひしめき、今期の女流本因坊戦出場の16人のなかにも歴代のタイトル経験者が10人もいる。もう一人のタイトル保持者、梅沢由香里女流棋聖は「謝さんの碁はパワーがあって、見ていてもおもしろい。あの破壊力は自分にもほしいと思います。でも、ひょっとしたら私が挑戦するかもしれませんよ」と語る。

 謝が二冠を保持したまま、女流棋聖か女流最強位を手に入れて「三冠王(女王?)」となるのか、誰かが謝の勢いを止めるのか、と興味は尽きない。謝は「目標は置かず、常に、今の自分を超えることだけを考えて頑張る」と話している。

 ◆名人戦、女流もリーグ方式に

 一方、謝がタイトルを保持するもう一つの棋戦、女流名人戦は、今年(第21期)から大きくシステムが変わる。主催は夕刊フジから産経新聞に移動。7月に開幕予定の本戦は、これまでのトーナメント方式(参加16人、敗者復活戦あり)から、7人のリーグ戦になる。現在、リーグ入りをかけた戦いの真っ最中だ。

 現行のリーグは、名人戦(9人)、本因坊戦(8人)、棋聖戦(6人のリーグが二つ)が採用しているだけで、女流棋戦にはない。ライバルたちの成績が複雑にからみあう挑戦レースが、女流碁界でも見られるようになる。

 ◆通算11冠、誰が達成?

 通算タイトル獲得数の争いも注目の的。トップの10に杉内寿子八段、青木喜久代八段、小林禮子七段(故人)、小林泉美六段が並び、知念かおり四段が9で追っている。昨年、女流名人防衛戦と女流プロ最強戦決勝で敗れ、新記録の11を逃している青木は「謝さんの活躍に刺激されてか、最近は10代、20代がどんどん強くなって女流碁界の層が厚くなっています。私も負けないように頑張ります」。

 ◆メモ/現行の女流棋戦

 現行の女流棋戦は(1)女流本因坊戦(2)女流名人戦(3)女流棋聖戦(4)女流プロ最強戦の四つ(タイトルの序列順)。このうち(1)(2)(3)は、1年間タイトルを保持した前年の覇者と、挑戦者が戦う挑戦手合方式((1)は五番勝負、(2)(3)は三番勝負)。(4)は毎年のトーナメント優勝者がタイトルを獲得する。囲碁界の女性プロは、将棋界と違って、一般のタイトル戦にもすべて出場している。

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