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国際戦決勝日本3年ぶり テレビ囲碁アジア選手権 結城九段準優勝

2010年6月10日

写真決勝戦を振り返る結城聡九段(左)=京都市

 日中韓3カ国の早碁の名手が競う第22回テレビ囲碁アジア選手権が1〜3日に京都市で開催され、日本代表の結城聡九段が準優勝を飾った。年間に五つほど開かれる国際大会で、日本代表が決勝まで進んだのは3年ぶり。逆転で優勝を逃した結城は、悔しさをかみしめながらも、「よくやった」と充実した戦いを振り返った。

 NHK杯(日本)、CCTV杯(中国)、KBS杯(韓国)という、各国のテレビ局がかかわる棋戦の優勝・準優勝者に、前回大会の優勝者を加えた7人のトーナメント。日本はNHK杯優勝の結城(3回目)と、準優勝の井山裕太名人(初)が出場した。1手30秒未満で打ち続けるルールで、国際棋戦では一番の早碁である。

 早碁の国内棋戦で何度も優勝がある結城は今回、出場選手中で随一の積極性と力強さをみせた。陳耀ヨウ(ヨウは火へんに華)九段(中国)との1回戦は、序盤の相手の失着を境に、たたみかけて圧倒。2回戦は昨年の世界選手権・富士通杯で優勝した姜東潤九段(韓国)との乱戦を制した。

 前回優勝の孔傑九段(中国)と戦った決勝は惜敗だった。自ら仕掛けて優勢を築いたが、急所で緩手が出て混戦に引き戻された。そして闇試合のような展開のなかでさらに後退し、最後は戦意を失ったかに見える投了。「放心の一着。うまくいっている時ほど危ないものです」

 一方の井山は1回戦で韓国の名人でもある李昌鎬九段に敗れた。「序盤でやや苦しくしました。中盤、相手の打った新手が好判断で、これで逆転が難しくなった。難しい局面でも、短時間にすばらしい判断ができる。李さんと打って、そう感じました」と話した。

■「これだけ戦え満足」

 表彰式で結城は、「戦った3人は初対戦の棋士ばかり。世界を代表する棋士を相手にこれだけ戦えて、満足ではあります。決勝戦は途中まではよく戦えたので残念。今も頭の中がぐるぐる回って、どこが悪かったのかなといろいろ考えています」と話した。2連覇した孔は「幸運でした。内容は結城さんの方がすばらしかった」と敗者をたたえた。

 結城は国際大会に登場して15年目で初の決勝進出。力戦派らしく、「日本の棋士は曲線的に戦う人が多いけれど、海外の棋士は直線的で、打ち方が違う。向こうが来るならこちらも最強に行くしかない。それが僕には合うんです」という。

 これまで勇み足になることもあったが、得意の早碁で自己最高成績を残した。38歳は今大会最年長。ほかの6人のうち4人は18〜21歳だ。大会の立会人を務めた関西棋院の今村俊也九段は「最近の結城九段は単なる力戦派でなく、柔軟性や高い構想力が加わった。世界的に若い棋士が強い流れがあるが、囲碁は年輪がものをいう競技だと、結城さんが証明してくれるのではないか」と語った。

■次につながる活躍

 日本代表の国際大会準優勝は2007年1月、トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦の張栩碁聖以来。もし優勝(個人戦)なら、05年に二つの国際大会(LG杯世界棋王戦、テレビ囲碁アジア選手権)を制した張以来の快挙のはずだった。日本選手団の代表であいさつした日本棋院の神田英理事は「日本にとっては久しぶりのひのき舞台。碁の内容もよく、(一時は優勝を)いただいたとも思った。次につながる活躍」と話した。

 結城、井山とも、囲碁が正式種目となった11月の広州・アジア大会の日本代表候補選手になっている。

■韓国も「囲碁はスポーツ」

 今回、韓国からはKBSスポーツ局の局長やプロデューサーが選手団として来日した。昨年までは教養制作局が囲碁番組を担当していたが、今年からスポーツ局になったという。

 鄭錫圭プロデューサーによると、スポーツ局に含まれるようになったのは、広州・アジア大会で囲碁が種目に採用されたことと、囲碁団体が大韓体育会に加盟したことが理由だという。中国棋院が国家体育総局に属し、中国も従来から囲碁をスポーツとみているが、韓国でもその認識が色濃くなってきた。

 NHKエデュケーショナルの生活部が囲碁番組を担当する日本。さて、どうなるか?(伊藤衆生)

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