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メダル1個、涙と収穫と アジア大会囲碁

2010年12月2日

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写真:日本男子は予選で韓国に2―3。手前は主将戦の韓国・李昌鎬―日本・山下敬吾(右)日本男子は予選で韓国に2―3。手前は主将戦の韓国・李昌鎬―日本・山下敬吾(右)

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 日本男子銅メダル、女子4位――広州アジア大会の囲碁は11月26日、男女の団体が決着し、全3種目を終えた。メダル1個の日本は、かろうじて囲碁大国の面目を保った格好だ。韓国、中国の優勝争いには割って入れず、台湾戦にも苦しんだ。だが、個々の成績を見ると、日本にとっては収穫の多い大会ではなかったか。

 男子団体(5人制)、女子団体(3人制)には各7チームが参加。23日から総当たりの予選があった。予選1、2位が決勝へ、同3、4位が3位決定戦へ進む。

■男子の銅だけ

 日本男子は25日の中国戦、韓国戦が鍵となった。午前の中国戦は1―4。主将戦で山下敬吾が古力に勝ったのみ。内容的にも日本は押されぎみだった。韓国戦は2―3。山下が李昌鎬を、副将の井山裕太が李世ドル(ドルは石の下に乙)をと、韓国が世界に誇る李2人を破ったが、三将以下が勝てなかった。「僕が悪い。形勢がいいと思ってゆるんだ」と高尾紳路。予選最終戦で台湾にも敗れ、4位で3位決定戦へ。3位決定戦は、2―2の状態から最後に井山が勝利し、台湾に雪辱した。

 女子は初戦の韓国戦(1―2)でつまづいた。副将の吉田美香―金侖映戦は珍しい「三コウ」が発生。無勝負の裁定が下り、吉田は「1手10秒」の打ち直し局で敗れた。「勝ち筋はたくさんあった。最悪のコースで三コウになった」と吉田。主将戦で敗れた鈴木歩には見損じがあった。「あれは勝たなければいけない内容でした」

 男子と同じく予選を4位通過しての3位決定戦では、予選と同じく台湾に1―2。主将の鈴木―謝依旻戦の終局間際、秒読みに追われながら、鈴木は石を打って対局時計のボタンを押す。だが時計が反応せず時間切れ。盤上での勝負は鈴木の半目勝ちだった。不慮のハプニングで銅メダルを逃した。

 日本女子は競り合いに勝てず1―2が3回。選手たちは「なさけない」「申し訳ない」「すべて私の責任」と言いながら、報道陣の前で涙を流した。

■底上げが課題

 金メダルを目指した日本にとって、3種目で銅メダル1個という成績は、目標を大きく下回ったといわざるを得ない。だが、韓国、中国に大きく後れをとっている近年の現状を踏まえれば、「実績通り」の結果だったともいえる。

 「国籍主義」のアジア大会には張栩、謝依旻という日本囲碁界の男女の代表格が台湾代表で出場。日本の勢力は分断された。それでも日本男子は優勝した韓国に2―3。内容的にも好勝負だった。

 主将の山下は「個人的には中韓に勝ったのは満足」、李世ドルを破った井山も「今までで一番というくらいうれしい。これまでに勝った世界の強豪の中で一番強い人。自分の力を出し切ればチャンスがあるということが分かった」と収穫を口にした。日中韓の主将を倒した台湾の張は、主将としてはただ一人の全勝。オーダーの上位陣だけで比較すれば「日本の棋士」の成績は悪くはなかった。

 裏を返せば、日本チームには、層の厚さや相手を上回る勝負強さがなかったということだろう。国際大会の個人戦で優勝するような強いエースの存在とともに、全体的なレベルの底上げが急がれる。(伊藤衆生)

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