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遅咲き、30代で進化 囲碁1000勝達成の結城天元

2011年4月19日

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図:結城天元、年齢別の主な戦績拡大結城天元、年齢別の主な戦績

図:結城天元、勝率の変遷拡大結城天元、勝率の変遷

 史上最速、最年少、最高勝率で公式戦通算1千勝に到達した関西棋院の結城聡天元(39)。記録達成までの軌跡は特徴的だ。30歳ごろから好調に転じ、昨年は38歳にして初の七大タイトルを獲得。ベテランの域に近づく段階で進化を続け、驚異的なスピードで記録を塗り替えた。

 13日に史上14人目の1千勝棋士となった結城の成績は、1千勝371敗2ジゴ。1984年にプロ入りしてから27年1カ月、39歳2カ月、勝率7割2分9厘(ジゴは除く)での達成だった。

 1千勝までの最速は趙治勲二十五世本因坊(54)の31年4カ月、最年少も趙の43歳1カ月だった。また、勝率は小林光一九段(58)が記録した6割8分0厘(471敗)。その記録をいずれも大きく更新した。

 趙や小林の若い頃は棋戦数が少なく、いまとのスピードの比較は難しい。しかし、1千勝を達成するまでの負け数が小林より100も少ないことは、結城のずば抜けた実績を物語っている。

 結城は12歳で棋士になってから20代半ばまで、多くの一流棋士たちの若い頃と同じように高勝率を連発した。93年、21歳で新人王戦優勝や本因坊戦リーグ入りを果たすなど、同世代の中でも特に注目される存在となった。

 強豪との対局が増え、20代後半(97年以降)になると、勝率は6割台、5割台へと下がった。だが、30歳を迎える2002年ごろから再び好調に転じ、軒並み7割台を記録。昨年までの9年間で年間40勝以上を挙げた年が7回もあり、勝ち星も量産した。

 「予想以上のスピード。自分でも意外です」と語る結城は、近年の好調の要因として、01年9月、医師の道から棋士へ転じた坂井秀至碁聖(37)の存在を挙げた。

 「(成績が良くなったのは)坂井さんが関西棋院に入った時期と重なる。彼の入段で、変わることができた」

 そして昨年、七大タイトルの一つ天元位を獲得した。

 タイトル獲得が遅かったことが、結果として大記録達成に一役買ったという見方もある。長く七大タイトルを保持していた趙や小林が本戦や予選上位にシードされたのに対し、タイトル保持者ではない結城は予選を何局も勝ち進む必要があった。そこで白星を稼いだ。本人も「どの1勝もすべて大変だったが、勝ち星という点では有利に働いたところもある」と語る。

 「数字はまったく意識してこなかったし、これからも一局一局という気持ちです」

 天元位を獲得したことで、結城は今後、各棋戦でシードされる。これからが、いよいよ真価が問われるときだ。

 ただ、結城の記録はしばらく破られそうもない。可能性があるとすれば、757勝316敗(7割0分5厘)の山下敬吾本因坊(32)や745勝279敗(7割2分8厘)の張栩棋聖(31)だろうか。最速、最年少記録はともかく、最高勝率は並大抵のことでは超えられない記録だ。(伊藤衆生)

    ◇

(注)関西棋院の公式戦は、同棋院だけの関西棋院第一位決定戦、産経プロ・アマトーナメントを含む。一方、竜星戦、阿含・桐山杯、NECカップは、関西棋院棋士の出場が制限されている。

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