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強すぎる韓流アマ 阿含・桐山杯本戦でも善戦

2011年7月5日

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写真:溝上知親八段を破ってベスト8に勝ち進んだ河成奉さん=6月23日、東京都千代田区拡大溝上知親八段を破ってベスト8に勝ち進んだ河成奉さん=6月23日、東京都千代田区

写真:井山裕太名人に惜敗した金成進さん=6月2日、大阪市北区拡大井山裕太名人に惜敗した金成進さん=6月2日、大阪市北区

表:阿含・桐山杯本戦拡大阿含・桐山杯本戦

 アマチュアが史上初めて16人の本戦トーナメントに進出した阿含(あごん)・桐山杯第18期全日本早碁オープン戦。快挙を達成した韓国出身の青年2人のうち1人が、本戦1回戦にも勝って、とうとう準々決勝に進んだ。一流棋士並みのこの活躍は、日本のプロがだらしないのか、韓国のアマが強すぎるのか。

■日本勢を圧倒

 阿含・桐山杯は、アマ20人が出場してプロと対等に勝負する。約270人のプロ棋士が出場した予選で、河成奉(ハ・ソンボン)さん(29)と金成進(キム・ソンジン)さん(21)がそれぞれプロに7連勝し、本戦まで駆け上がった。

 2人は、韓国棋院の研究生としてプロをめざしたことのある強豪。金さんは趙治勲二十五世本因坊(名人戦リーグ在籍)、加藤充志八段(棋聖戦リーグ在籍)という一流棋士も破った。金さんの快進撃は本戦1回戦で井山裕太名人に止められたが、6月23日、河さんが名人戦リーグ在籍の溝上知親八段に勝って2回戦に進出した。

 河さんは「運がよかったんです。最初からベスト8に進みたいという高い目標を立てていた。誰も到達したことのないところまでくることができた」と喜ぶ。河さんは韓国代表として3年前の世界アマ選手権で優勝。翌年来日し、東京都内の囲碁道場で日本の子どもらを指導している。昨年の朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会の覇者でもある。

 河さんに敗れた溝上八段は「自分の内容は悪く、相手にもしっかりと打たれた。その相手がアマチュアだったということなのですが、本戦だったということもあってショックです。正確な判断力など、いろんなことに感心させられた」と語る。一方、金さんの本戦入りを許した加藤八段は「金さんは終盤が強い。序盤は手堅く、あまり離されないように打ってくる。終盤に自信のあるタイプに見えた」。井山名人に敗れた碁も、途中までは金さんの好局だった。

 金さんは趙二十五世本因坊に勝ったとき、「オープン戦ですから、プロが勝ってもニュースになりません」と笑顔で語った。プロ同士の世界で韓国や中国に押されている日本が、海外のアマチュアにまで足もとをすくわれている。

■若手の層厚く

 アマチュア時代が長く、アマ世界一(2000年)になった後にプロ入りした関西棋院の坂井秀至碁聖は「すんなりとはプロになれなかった彼らがこうなのですから、韓国のプロ入りのハードルが極めて高いことが浮き彫りになります。つまり、若手棋士の層の厚さが違うということでもあります」と分析する。日本棋院の大竹英雄理事長は「日本の専門家のあり方、育て方など、あらゆることが問われるような結果だ」と語った。

 道場の子どもたちから「優勝してください」と応援されるという河さん。2回戦の相手は山下敬吾本因坊だ。「一番高いレベルの棋士と当たることになる。勝てるとは思えないが、楽しみですね。小さい頃から囲碁を打ってきた人生のなかで、何回あるか分からないくらいのチャンス。最善を尽くして戦いたい」と意欲を燃やす。(伊藤衆生)

     ◇

■プロアマ戦も公式扱い

 日本棋院のプロ棋士がアマと対戦した場合、これまでは原則として非公式戦扱い(世界戦本戦は除く)だった。同棋院は今回のアマの活躍を受け、今期は本戦から、来期からは予選も含め、プロがアマと対戦した成績を、公式戦扱いとして年間の勝ち星などに加えることを決めた。

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