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井山名人「力が及ばず」 日中韓囲碁名人戦、また3位

2011年8月30日

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写真:第2戦に敗れ、決勝進出を逃した井山裕太名人(右)=19日、中国湖南省常徳市拡大第2戦に敗れ、決勝進出を逃した井山裕太名人(右)=19日、中国湖南省常徳市

図:【第1戦】黒・井山裕太(日本)―白・朴永訓(韓国)<br />
 240手完、白中押し勝ち<br />
 76ツグ(69)、169コウ取る(161)、172同(166)、175、178、183、186、189、192、195、198、201、204各同、209同(193)、218同(38)、223同拡大【第1戦】黒・井山裕太(日本)―白・朴永訓(韓国)
 240手完、白中押し勝ち
 76ツグ(69)、169コウ取る(161)、172同(166)、175、178、183、186、189、192、195、198、201、204各同、209同(193)、218同(38)、223同

図:【第2戦】黒・井山裕太(日本)―白・江維傑(中国)<br />
 154手完、白中押し勝ち拡大【第2戦】黒・井山裕太(日本)―白・江維傑(中国)
 154手完、白中押し勝ち

 日中韓3カ国の囲碁の名人が“最強の名人”の座を争った中国常徳・柳葉湖杯第2回世界囲碁名人争覇戦。2年連続で出場した井山裕太名人(22)は中韓の名人に屈し、またも3位だった。不本意な内容に終わった井山の表情からは悔しさがにじんだ。

■強行日程で国際戦

 名人争覇戦は、渡航を含めて16〜21日の6日間。井山は大阪市で10〜14日に開かれた世界囲碁選手権・富士通杯での5連戦に続き、15日は同市内の囲碁まつりに参加。翌朝に中国湖南省の常徳市へ向かうという強行日程だった。

 17日の第1戦は井山と朴永訓名人(26)の日韓戦。持ち時間は2時間45分で、中国や韓国では長い部類だ。まず焦点となったのは上辺だ。白60は朴が後悔した手。井山は黒65、白66の交換だけで左下に回ったが、続けて黒104とツグほうがまさったという。

 黒好調とみていた検討陣に対して、井山自身はそれほど好感触を得ていたわけではない。緩まず追及にいった右辺黒83がその表れだ。しかし逆に白がうまく立ち回り、朴は形勢好転を意識した。井山が下辺をまとめて好勝負とみられたが、黒の薄みをつく左辺白144以下が強烈。白160と右下白を生きた時点で朴がはっきり優勢になった。

 初戦で敗れた井山は19日、決勝進出をかけて中国の江維傑名人(19)と対戦。形勢が傾いたのは左辺一帯の攻防だった。井山が最も後悔したのが黒43のカケツギ。続く左上白44のハネが絶好。「少し苦しい形勢です。黒は44とサガって頑張るしかなかった」と井山は振り返る。

 以後は苦戦を意識しながらの打ち回し。右辺黒91から勝負の格好に持ち込んだのはさすがである。だが、ようやくチャンスが巡ってきた矢先の黒109が甘かったという。109ではなく黒111とコスミツけて忙しく打っていれば白も対応が難しかった。それでも、「好転するまでは大変かもしれない」という。

 中韓による20日の決勝は、朴名人が制した。

 井山は5月、中国重慶市で開かれた国際大会に出場し、古力九段(中国)、李世ドル(ドルは石の下に乙)九段(韓国)という世界屈指の強豪を破って優勝を飾った。富士通杯の3位決定戦では江名人に勝ったばかり。勢いよく中国に乗り込んだはずだ。「出るからには……」と優勝も視野に入れて臨んだ井山だったが、「力が及ばなかった」と言葉少なだった。

 日本選手団団長の後藤俊午九段は「明らかに挑戦者という立場だった昨年と違い、今年は誰がみても互角の勝負が期待されていた。特に中国戦は期待はずれの内容だったといわざるをえない」と語る。

 日本の国内棋戦は、5時間や2日制8時間など、持ち時間の長い対局があるため、毎日のように対局するということはない。これまで経験したことのないほどの過密スケジュールに本人は「疲れはなかった」と述べたが、後藤団長は「いや、疲れが見えた」という。「まだ若いので、国内戦と国際戦のスイッチの切り替えというのか、そのあたりの対応をうまくしてもらえたら」と語った。

 閉幕式で井山は「今年も残念な結果になってしまった。もうすぐ日本の名人戦の防衛戦が始まる。がんばって防衛して、ぜひここに戻ってきたい」とあいさつした。(伊藤衆生)

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