現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. トピックス
  5. 記事
2012年5月22日16時31分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

中園選手 不運の時間切れ

写真:中園清三選手(碁盤の左)の時間が切れ、周囲に人だかりができた=14日、中国広州市、日本棋院提供拡大中園清三選手(碁盤の左)の時間が切れ、周囲に人だかりができた=14日、中国広州市、日本棋院提供

写真:世界アマ選手権に臨む日本代表の中園清三選手=14日、中国広州市の広州棋院、日本棋院提供拡大世界アマ選手権に臨む日本代表の中園清三選手=14日、中国広州市の広州棋院、日本棋院提供

表:入賞者入賞者

 中国・広州市に55カ国・地域の代表が集まった第33回世界アマチュア囲碁選手権戦。8年ぶりに出場した日本の中園清三選手(61)は、不運な時間切れ負けで上位進出の道を閉ざされた。上位入賞は10代が独占。若手が次々と台頭する囲碁界の潮流がくっきりとした大会だった。

■「時計を押したが・・・」

 入賞ぎりぎりの8位に終わった中園さん。ハプニングは4回戦の米国戦で起きた。

 盤上は中園さんの勝勢。あと少しで終局という時に対局時計が中園さんの時間切れを宣告した。「相手の手番だったので相手の時間切れかと思ったら、自分の方だった。私が着手して時計を押したときに機械が反応せず、そのまま私の方の時計が動いていた、ということになるのでしょう」と中園さんは語る。

 選手たちは一手打つごとに自分で対局時計のボタンを押す。ボタンが押される度に相手側の持ち時間が減る仕組みだ。持ち時間の1時間を使い切っても、その後は30秒未満に着手してボタンを押せばいい。2度までは30秒を超えて考慮できるが、3度目で時間切れ負けになる。

 現地で取材した日本棋院記者によると、今回の時計は、プロ棋士が出場した2年前の広州アジア大会・囲碁競技で使用したものと同タイプ。アジア大会でも「真上から上手に押さないと反応しないことがある」などの問題が指摘され、鈴木歩六段や台湾代表で出場した王銘エン(エンは王へんに宛)九段らが時間切れ負けを喫した。中園さんも3回戦の韓国戦あたりから時計の反応が悪いことがあるのに気づいていたという。

 中園さんは「負けなくてもいい碁に負けてしまい、上位争いに加われなかった。あとは入賞をめざして勝ちを積み重ねただけ。蚊帳の外でした」と悔しさをにじませた。

 競技は4日間(13〜16日)、できるだけ同じ成績同士を対戦させながら全選手が8戦する。中園さんは優勝候補の一角だった韓国選手に負けた直後の米国戦でも敗れ、半分を終えて2勝2敗。5回戦以降は全勝したが、優勝争いに絡むことはなかった。対戦相手の成績を加味して順位を決めるため、韓国以外の上位陣と対戦していない中園さんは6勝2敗の6人の中で最下位になった。

■4位まで10代が独占

 今大会は優勝から4位までを10代が独占、5〜7位も20代だった。まるで学生大会のようだが、これが世界の囲碁界の現実だ。中園さんは8年前の世界アマと比べ、「若い人が多くなった。特に欧州勢の若返りとレベル向上が印象的」と話す。自身も欧州の10代3人と対戦し、勢いを実感した。逆に中園さんは2番目の年長。「この中で見れば、日本は変わった状況ですね」

 中園さんは昨年9月、世界アマ代表決定戦で優勝。8月にも16年ぶりにアマ本因坊に返り咲いた。60歳になっての連続優勝は、84歳で昨年の世界アマに出場した平田博則さんに刺激を受けたから。「7月のアマ名人戦で平田さんにサンドバッグ状態で負かされ、目が覚めた。初心に帰り、余計なことを考えずに打つという気持ちになれた」という。

 ただ、「世界アマはもういいかなあ。自分があえて出る必要はない。若い人に頑張ってほしい」。アマ名人、アマ本因坊にそれぞれ6回輝いたベテランは、若手の奮起に期待した。(伊藤衆生)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
  • ねっとde碁
  • ねっとde碁
  • 名人戦名局百選

囲碁の本

第36期囲碁名人戦全記録

剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。

井山裕太20歳の自戦記

史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。

勝利は10%から積み上げる

囲碁界第一人者の張栩十段が、これまでの棋士人生で培われた、自らの勝負哲学を明かす。

powered by amazon

囲碁関連グッズ

第37期囲碁名人戦 記念扇子

初防衛を目指す山下敬吾名人と挑戦者・羽根直樹九段の揮毫入り。対局開催地と日本棋院だけで販売の限定品

囲碁って楽しい!

名人戦も囲碁ガールも!新しい囲碁の魅力に触れてみませんか?