現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. エンタメ
  3. 囲碁
  4. トピックス
  5. 記事
2012年7月31日16時16分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

冷静沈着、洪アマ名人 朝日アマ囲碁名人戦2連覇

写真:挑戦者の河成奉さんを下し、初防衛を果たした洪ソッ義(ソッは夾の人がそれぞれ百)アマ名人=29日午前、神奈川県湯河原町、長島一浩撮影拡大挑戦者の河成奉さんを下し、初防衛を果たした洪ソッ義(ソッは夾の人がそれぞれ百)アマ名人=29日午前、神奈川県湯河原町、長島一浩撮影

写真:対局後の検討をする挑戦者の河成奉さん=29日午前、神奈川県湯河原町、長島一浩撮影拡大対局後の検討をする挑戦者の河成奉さん=29日午前、神奈川県湯河原町、長島一浩撮影

図:第2局 (黒)洪ソッ義(ソッは夾の人がそれぞれ百)―(白)河成奉
図・1〜52手(以下略)黒中押し勝ち拡大第2局 (黒)洪ソッ義(ソッは夾の人がそれぞれ百)―(白)河成奉 図・1〜52手(以下略)黒中押し勝ち

 第7期朝日アマチュア囲碁名人戦三番勝負(朝日新聞社、日本棋院主催)は洪ソッ義(ソッは夾の人がそれぞれ百、ホン・ソッギ)さん(25)=大阪府箕面市=が挑戦者の河成奉(ハ・ソンボン)さん(30)=東京都中野区=を2連勝で破り、2連覇を果たした。互いに手の内を知り尽くす「韓流」対決は、洪さんの落ち着きが目立った防衛劇となった。

 挑戦者に名乗りを上げた河さんは、昨年の阿含・桐山杯第18期全日本早碁オープン戦でプロに8連勝して8強入りした強豪。だが、昨年の全国大会では洪さんに敗れており、今回は雪辱戦となった。

 神奈川県湯河原町のゆがわら石亭で打たれた三番勝負。28日の第1局は、優位に立った洪さんが河さんの追い上げをかわして、幸先の良いスタートを切った。

 29日の第2局。布石では河さんに分があったが、中盤に入り、洪さんが盛り返す。左辺の折衝が一段落した後の黒51で、洪さんは「良くなったと思った」。河さんも白52と打ち込んだが、重い形になってしまい、形勢は好転しない。河さんは、黒39と入られた後の対応が「甘かった」と悔やんだ。

 その後も、河さんの抵抗に対し、洪さんは冷静に対応して勝ちきった。

 洪さんと河さんは、韓国にいた頃から何度も盤を挟み、今でも食事をする仲だ。河さんが挑戦を決めた時も、電話で祝福したという。洪さんは「これまでは、ほとんど僕が負けている。以前は中盤まで良くても、ヨセで逆転されることが多かった」と話す。

 洪さんは韓国・木浦出身。大学で日本文学などを専攻し、昨年来日した。囲碁指導員として働きながらプロを目指している。「自分より強い人と打つのが楽しみだった。まだ足りない部分があるので、さらに頑張りたい」と謙虚に語った。

 立会人の上村陽生九段は「洪さんは落ち着いて打つように心がけていた。疑問手も少なかった。今回の三番勝負は相当水準が高かったと思います」と評価した。(村瀬信也)

■河さん、持ち味発揮しきれず

 河さんは韓国・釜山出身。12歳から17歳まで韓国で研究生(プロ候補生)として過ごした。家が豊かでなく道場に通えなかったため、学校が終わると1人で碁の勉強をした。週末の手合には1時間以上自転車をこいで通った。

 韓国内の数多くのアマ棋戦で優勝。08年にはアマ世界一になった実力の持ち主だが、プロにはあと一歩届かなかった。30歳前に新しい経験をしようと09年夏に来日。都内の道場で囲碁指導員として子どもたちを教え、休日もこつこつと腕を磨く。「素朴」。そんな言葉が似合う努力家だ。

 日本に来てから視野が広がった実感はあるのに、一昨年も今年も、三番勝負で勝てない。緊張や興奮で寝付けない上に、第2局が朝8時半に始まるのが、仕事がら夜型生活の身にはつらい。「甘い手を打った後、すぐ気づいて動揺してしまった」とも話した。

 「早打ちで急所を外さない」と評される河さんだが、この三番勝負では持ち味を発揮しきれなかった感がある。上村九段は「全国大会でも頭一つ抜け出た強さを見せていたが、好調ではないように見えた。碁が変わる時期なのかもしれない」と見る。

 河さんは「準備が足りなかったが、それも実力のうち。洪さんは強かった。来年も挑戦できるよう頑張りたい」と話した。

 今年、かつて自分が教えた一回り以上下の世代と共に韓国でプロ試験を受けた。夢は今も、プロになることだ。(鈴村綾子)

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介
  • ねっとde碁
  • ねっとde碁
  • 名人戦名局百選

囲碁の本

第36期囲碁名人戦全記録

剛腕・山下敬吾本因坊が井山裕太名人を4勝2敗で破り、タイトルを奪取した七番勝負を観戦記で振り返る。ほか、挑戦者決定リーグ戦全37局(プレーオフを含む)の棋譜、朝日新聞紙上に載った記事や写真なども収録。

井山裕太20歳の自戦記

史上最年少で名人となった井山裕太名人の初の打碁集。名人奪取までに打った17局を自ら振り返る。坂田栄男、趙治勲、小林光一ら歴代名人7人が見た井山評も。

勝利は10%から積み上げる

囲碁界第一人者の張栩十段が、これまでの棋士人生で培われた、自らの勝負哲学を明かす。

powered by amazon

囲碁関連グッズ

第37期囲碁名人戦 記念扇子

初防衛を目指す山下敬吾名人と挑戦者・羽根直樹九段の揮毫入り。対局開催地と日本棋院だけで販売の限定品

囲碁って楽しい!

名人戦も囲碁ガールも!新しい囲碁の魅力に触れてみませんか?