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2012年12月25日15時32分
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井山、破竹の勢い 史上2人目の五冠達成 囲碁

写真:五冠を達成した井山裕太本因坊=11月22日拡大五冠を達成した井山裕太本因坊=11月22日

表:2012年囲碁七大タイトル戦(左が勝者)拡大2012年囲碁七大タイトル戦(左が勝者)

 【伊藤衆生】井山裕太(23)が11月、現行の七大タイトル戦史上2人目となる五冠(本因坊、天元、王座、碁聖、十段)を達成。新記録(六冠)への挑戦という意味では来年こそが正念場となるが、闘争心あふれる戦い方を貫き、破竹の勢いでタイトルを増やした2012年の活躍は、20代前半にしてすでに全盛期の到来を予感させるものだった。

 4月に十段を初防衛。7月には山下敬吾(34)から本因坊を奪取した。屈指の剛腕と渡り合い、前年に名人を奪われた借りを返したことが、その後の大躍進につながった。

 余勢を駆って羽根直樹(36)から碁聖を奪取(7月)。11月には張栩(32)の5連覇を阻止して王座を奪い、五冠達成。天元も堅守した。井山は五番勝負で争う4タイトル戦にすべて出場。苦戦もあったようだが、抜群の勝負勘で戦機をとらえ、勝敗では圧倒した。井山は、早碁の竜星戦でも優勝して、1年間にタイトルを六つ獲得した。

 井山の勝ちっぷりが印象的な五番勝負に対し、七番勝負で争う棋聖戦(1〜3月)、本因坊戦(5〜7月)、名人戦(8〜11月)はいずれも最終局にもつれる大熱戦だった。頂上決戦にふさわしい名勝負がファンを熱くさせた。

 「井山不在」の棋聖戦=張VS.高尾紳路(36)と名人戦=山下VS.羽根はともに四天王によるライバル対決。山下は本因坊の失冠から立ち直って名人を初防衛した。敗れた羽根も、井山とのプレーオフを制して大舞台に登場し、存在感を示した。

 七大タイトル戦の出場者を見ると、井山以外は、四天王と河野臨(31)の5人。四天王はいまだに第一線で活躍するが、井山にとって高い壁だった数年前までとは状況が変わった。その傾向が顕著となるのか、それとも逆襲が始まるのか。まずは井山が張に挑む年初の棋聖戦が注目される。

 女流棋戦では、青木喜久代(44)が2月、謝依旻(23)を2勝1敗で破って女流棋聖を奪取し、謝の三冠独占を崩した。だが、謝は3月に向井千瑛(25)を2勝1敗で退けて女流名人を5連覇して名誉女流名人の資格を獲得し、10月には奥田あや(24)を3連勝で下して女流本因坊を6連覇した。謝は今月、女流棋聖の挑戦者になった。年明け、復位をかけて青木に挑む。

■国際公式戦、国内ゼロ

 長引く日本経済の不振が囲碁界に暗い影を落とした一年でもあった。1988年創設の世界囲碁選手権・富士通杯が終了となり、国内の一流棋士が勢ぞろいするNECカップ囲碁トーナメント戦も休止になった。

 特にプロの世界選手権として最も歴史のある富士通杯の終了は重大。中国や韓国で国際棋戦が活況を呈する一方、日本では今年、国際公式棋戦は一切、開かれなかった。世界のプロ碁界をリードしてきた往年の姿は、そこにはない。

 日本のプロは今年も国際棋戦で好成績を残せなかった。世界で勝てる棋士の育成が最大の課題だが、大胆な改革はなく、活躍の場もつくれないのが現状。国内タイトル戦に忙しい棋士が国際棋戦に出場できない構造的問題もある。日本棋院や関西棋院は問題に本腰を入れて向き合うべきだ。

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