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朝日新聞創刊130周年記念事業
- 朝日新聞 2009年04月03日掲載 -

明治・大正の記事・広告データベース~庶民の生活リアルに

 朝日新聞の明治・大正期紙面データベースづくりは、来年春の完成に向けて着々と進んでいます。新聞には時代の生の動きがぎっしり詰まっていて、過去に学ぶには格好の教材です。今回は面白記事の第2弾。明治・大正の庶民が暮らしたのはどんな世の中だったのでしょうか。歴史クイズもありますので、数世代前の日本人が生きた時代の雰囲気に触れてください。(福井仁)
 (引用文は、漢字の字体、変体仮名、表現などを現代表記に改めました。原文の味わいは添付の写真でお確かめください)

スポーツ

マラソン、大正時代にも流行

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1926(大正15)年、明治神宮体育大会であったマラソンのスタート=11月4日付夕刊

 東京マラソンがきっかけで空前のマラソンブームだが、大正時代にも「マラソン流行」があった。
 1925(大正14)年から26年にかけて、東京で「外堀1周マラソン」「内堀5周マラソンリレー」「クロスカントリーレース」などの大会があった。地方でも「70マイルマラソン」(東京―福島)、「駒ケ岳登山マラソン」(長野)、「富士登山マラソン競争」(静岡)といった大会が催された。
 25年8月には、専修大生中鶴武臣が青森―東京間を15日かけて「ウオーキング・アンド・マラソンで駆け抜けた」という記事がある。ランと競歩のような歩きを繰り返したようだ。「ウオーキングを見たこともない地方の人に尻振りマラソンが来たと冷やかされ通しでした」という談話も載った。
 東京の新宿―国分寺間30キロを走る「民衆マラソン競走」(三多摩スポーツ倶楽部主催)の広告が25年1月9日付に出ている。「年齢、職業を問わず」というから今の市民マラソン大会と変わらない。  この大会は延期になり、3月20日付に、改めて21日に開催するという広告が載った。西武グループを築いた堤康次郎の箱根土地株式会社が主催し、名称も「国分寺大学都市民衆マラソン」に変わった。だが、記事は大会に一言も触れず、翌年以降の紙面には広告も見あたらない。

貸自転車は線香1本燃える時間で2銭(1879年7月)

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日露戦争で捕虜になった「自転車美人」を伝える朝日新聞記事

 日本での自転車の始まりははっきりしないが、朝日新聞創刊の1879(明治12)年の記事にはもう自転車の話が出ている。
 「東京では自転車が大変に流行して、夜など商家の奉公人やいい年の職人までが車を走らせる」(6月25日付)。陸上を自力で走る乗り物を知らなかった日本人が飛びついたのも無理はない。
 レンタサイクルも現れた。「最近大阪府阿波座下通に出来た貸自転車屋は料金が線香1本が燃える時間で2銭なので客が詰めかけている」(7月4日付)
 明治後期には、自転車に乗る女性が記事になった。
 「捕虜となった自転車美人」という記事は、日露戦争中の話だ。「この洋装の自転車美人は2月、敵地深くに進入し、重大な使命を遂行しようとした際に不幸にして捕虜になった佐賀の人佐々木清(きよ)だ」(1904〈明治37〉年8月19日付)
 「自転車美人の非運」(1904〈明治37〉年9月14日付)は東京の芸者のゴシップ。芸者は自転車の名人で、「サイクリスト」の男性と毎日遠乗りをしていた。しかし、戦争中にこんなことをしていてはと男性が反省し、つきあいを絶った。「因果はめぐる自転車のように」と記事は書いた。

女性水着、色を制限(1915年)

 昔から海に入る人はいたが、「海水浴」という言葉は朝日新聞でいつから使われ始めたのか。明治・大正紙面データベースの入力が終わった明治初期で検索すると、1880(明治13)年7月31日付に一番早い例が見つかった。
 「大阪上等裁判所長小畑判事は2週間の夏休みをとり、避暑で兵庫県須磨の浦へ海水浴に行ったという」
 その後、海水浴の定着とともに登場数が増える。「海水浴の流行は年々盛んになってきた」(1888〈明治21〉年8月25日付)
 「昨今の大磯 海水浴客は2、3日前からは千人以上になった。今年は三陸地震や各地の水害の影響でどこの避暑地も閑散としているが、ここだけは比較的繁盛している」(1896〈明治29〉年8月13日付)
 海水浴の人気は大正になっても変わらなかったが、肌の露出が多いので取り締まりは厳しかった。1915(大正4)年7月3日付の「女は黒色のサルマタ」という見出しの記事は、寒川出洲海岸(現千葉市)での海水浴について千葉警察署長が「女性の水泳は肉感的な白サルマタ(水着)を禁止し、黒か茶褐色とした」と話したと伝える。東京のプールでも時間を決めて男女別に入っていた時代である。

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