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130 朝日新聞
朝日新聞創刊130周年記念事業
- 朝日新聞 2010年04月06日掲載 -

 朝日新聞社が2007年から編集・制作に取り組んできた明治・大正期の朝日新聞紙面データベース(DB)が完成し、今月から図書館・学校向け記事データベース「聞蔵(きくぞう)Ⅱビジュアル」で利用できるようになりました。このDBを使うと、朝日新聞創刊の1879(明治12)年から大正時代末まで、およそ50年間の記事・広告を検索して読むことができます。日本が近代国家への階段を駆け上がった時代を丸ごと知ることができる「巨大な宝物庫」とも言えます。海外からも期待の声が寄せられているこのDBのあらましや使い方などをご紹介します。
 (引用文は、漢字の字体、表現などを現代表記に改めました)

海外の日本研究、強力に支援

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シカゴ大学図書館日本文庫長・奥泉栄三郎さん

 「アメリカのシカゴ大学構内で朝日新聞が読めるって?」。それホント? イエスである。
 最近のデジタル版はむろんのこと、日刊版(国際版)、縮刷版、マイクロフィルム版(昭和15年以来の過去70年間分すべて)を所蔵しており、記事索引やスクラップ資料もあって、学生や研究者の第一級の糧となってきた。研究図書館の使命のひとつを果たすために、朝日新聞1紙だけでも膨大な投資をしてきたものだと、感慨無量である。
 それは、朝日新聞が1879(明治12)年以来、ほとんど休むことなく日本社会のモノ・情報・暮らしの文化を世界に伝え、同時に世界の動きを日本へ伝えてきた確たるメディアの一つであったからである。朝日新聞の創刊以来の全記事がデータベース(DB)化され、オンライン化されたことは喜ばしい。
 検索モードは簡易で、異体字を含めて自在に検索できる。同義語検索や横断検索と、記事へのアプローチも極めて容易だ。検索力が抜群で、検索適合率も向上した。1000万件を超える中から、瞬時に歴史記事を引き出すことが出来るので、日本研究を強力にサポートしてくれる。

 期待の声は筆者にも伝わっている。先日、フィラデルフィアでアジア学会年次大会があり、朝日新聞のDB実演コーナー(ブース)では若い世代の体験者が多かった。
 北米の図書館は、地方紙まではそろえられないので、朝日新聞DB版の地域面や各本社(支社)版へと、研究者の関心も広がってきた。昭和10年から同20年に、台湾、朝鮮、旧満州、中国でそれぞれ発行されていた朝日新聞「外地版」を、貴重な植民地研究原資料として、「聞蔵Ⅱ」に加えてもらいたい。そんな期待まで飛び出した。
 週刊朝日やAERA、知恵蔵をはじめ、オプションの「朝日新聞人物データベース」や「朝日新聞歴史写真アーカイブ」などと、コンテンツも一段と豊富になった。
 特に「写真アーカイブ」は、満州事変から敗戦までの間、記者が撮影した約7万枚の写真の中から1万枚をデータベース化したものと聞く。戦前・戦中の東アジア圏の風土・情景を生に伝える画像の「宝庫」といってもよく、これほどの歴史の物証も他にあるまい。
 朝日新聞社の図書館向け記事データベース集成版「聞蔵Ⅱ」は、これ自体が包含的な一大バーチャルライブラリーであり、明治以降の日本の来し方を赤裸に語り継ぐものである。

 このような激動の情報化時代に臨むライブラリアンの役割はいかようなものか。
 市民や学生や研究者たちを巻き込んだ私共のサービス対象は、拡大し深化し変容を繰り返す混合型となった。良識ある利用を促進させてゆくために、データベースを作る側からのさらなるサポート、各種のマニュアル版の作製が望まれる。リテラシー志向、利用指導などにコミットしてゆくことも必要であろう。研究ツール(道具)が魅力的な新製品であればあるほど、使いこなすまでには、目的をもった努力と利用回数がものをいう。
 朝日新聞社130周年記念DB化事業は、この時点で仮の完結をみたが、むしろ新たな「出発点」あるいは「復活点」を迎えたともいえよう。オリジナル紙面は危うく保存されてきた。その膨大な姿はマイクロフィルム化された。そして今、データベース化された。次なる新メディアは何か、希望を持ちたいものである。

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