大学図書館や公共図書館で、実際に「聞蔵」を使われている利用者のみなさんに、活用の仕方をお聞きしました。研究者、学生、図書館司書、ビジネスマン、人の数だけ、利用法が存在します。聞蔵シリーズは、利用者の「ほしい」にピタリとはまる記事データベースです。140年にわたる新聞情報の宝庫から、必要な情報がきっと見つかります。

大学図書館で

公共図書館で

学生が学ぶ
 
常磐大学国際学部講師 佐藤 純子さん

昔の紙面を読み、当時の人々の視点に立って歴史を考察

常磐大学国際学部講師
佐藤 純子さん

5.15事件を伝える号外とチャップリンの似顔絵を使った広告

5.15事件を伝える号外とチャップリンの似顔絵を使った広告

 一般教養科目の「日本の歴史」で近現代史を教えています。授業では主に明治維新から大正、昭和戦前に登場する首相らのリーダーシップについて取り上げています。歴史というと、高校までは暗記が中心だったかもしれません。大学では調べることに重点を置き、昔の新聞紙面や動画を教材にして当時生きていた人々の視点に立って歴史を考察するよう指導しています。

 犬養毅首相が暗殺された5・15事件(1932年)では、喜劇王チャップリンが来日中で、犬養首相と会食の予定があり、チャップリンも暗殺の標的になっていたといわれています。市民はチャップリンの来日に熱狂し、箱入りキャラメルの広告にもチャップリンの似顔絵などが使われるほどの人気ぶりでした。学生は、こうした世の中の雰囲気の中で5・15事件が起きたことを紙面から知ります。

 毎年、「聞蔵II」を使ったレポートを出していますが、授業ではその前に基本的な使い方を説明します。新聞の段数の数え方や紙面に表示される見出しを探す目印となる赤い位置マークの意味、歴史キーワード年表の使い方なども教えます。学生は操作方法については飲み込みが早いのですが、古い紙面は旧字や旧仮名使いがあって読みこなすのは大変です。ただ、昔の人が読んだときと同じ体験を共有できるというおもしろさは感じているようです。

 歴史資料というと、一番価値があるのは本人が書いた現物の1点もの(一次資料)だといわれています。新聞は二次的な資料ですが、大量の情報が詰まっており、毎日届けられて多くの人々が新聞を通じて情報を共有していたことを考えると資料価値は高いと思います。紙面の見出しや写真の大きさによってそれぞれの出来事の位置付けや背景を知ることができます。

 昨年は、レポートで「伊藤博文暗殺事件」と「明治三陸地震」について考察してもらいました。暗殺事件発生からその後の動きを紙面で読むと、国葬などで政治家が語っている内容などから伊藤の政治家としての評価が見えてきます。また、三陸地震の津波の被害状況を伝える記事では、津波のことを当時は「海嘯」と呼んでいたことや政府がどう対応したかがわかります。明治三陸地震を調べることによって東日本大震災について考察することもできるのです。

 「聞蔵II」を使う理由は、検索しやすい画面で情報量が多くキーワード検索のヒット率も高いところです。特に明治期の朝日新聞は海外の情報を多く載せていたことに驚きます。記事と広告を分けて検索することができ、写真付きの記事も「/写真」で区別できます。歴史は時間軸を縦軸と横軸で見ることができますが、データベースを使うと検索結果の表示順を「古い順」「新しい順」に切り替えて事件の時間的・歴史的な広がりを双方向で見ることができる点もおもしろいと思います。

 歴史を学ぶには情報メディアセンター(図書館)と友達にならないといけません。問題意識を掘り下げ、考察を深めるには様々な資料を参考にすることが必要です。「聞蔵II」の利用をきっかけにして、図書館にある資料の活用方法を身に付けてもらうこともレポートの目的のひとつです。

(2012年9月)

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