大学図書館や公共図書館で、実際に「聞蔵」を使われている利用者のみなさんに、活用の仕方をお聞きしました。研究者、学生、図書館司書、ビジネスマン、人の数だけ、利用法が存在します。聞蔵シリーズは、利用者の「ほしい」にピタリとはまる記事データベースです。138年を超える新聞情報の宝庫から、必要な情報がきっと見つかります。

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論証型レポート書法の指導に利用

明治学院大学 教養教育センター准教授 高木 久夫さん

授業で使う新聞資料

授業で使う新聞資料

 論証型レポートの書き方を教える、1年生向けの演習型科目「アカデミックリテラシー研究1」で、「聞蔵Ⅱ」などの記事データベース検索サービスを利用しています。新聞記事検索は工夫次第で、論文書法教育の効果的なしかけになると思います。

 この科目では、とにかく毎週のように文章を書かせては教員が添削します。全学部共通科目のため予備知識の敷居を上げないよう、学力低下問題、非正規雇用問題、死刑存廃問題など、時事的なテーマを取りあげます。授業のゴールは論証のスキル習得ですが、テーマの理解がおぼつかないと論証になりません。

 学期の前半は教員が吟味した資料を印刷配布し、授業でのグループワークなどを通し、テーマを消化させます。学期なかばに新聞記事、雑誌論文、図書館蔵書などの検索サービスを紹介し、後半は各自の関心に即して資料を探させます。

 教員が配布する資料は、教室でサッと読める新聞記事が多くなります。新しいトピックを次々に紹介し、賛否などを議論させるのに便利なためです。その上で官庁の報告書や国会答弁などの一次資料、新書レベルの概説や専門家の論文などを読ませます。とくに意識させるのは、どんな言説にも厳密な中立性はありえないという「資料批判」の観点です。資料ごとの客観性や当事者性の違いを説明するときに、論説や識者談話など、ストレート・ニュースと視点の異なる記事は有益です。

 多くの学生はweb検索の経験から、検索語の組み合わせなどの基本はよく理解しています。てこずるのはむしろ、初めて触れる術語や専門的な抽象概念です。目を通す資料を増やしながら、少しずつ知識を拡げるしかありません。「当たらずといえども. . . 」という検索語から求める記事にたどりつく「聞蔵Ⅱ」の同義語検索機能は、この意味でとても重宝です。

 日本の大学1年生のほとんどは、体験作文や感想文しか経験しておらず、論証型レポートの作法を知りません。典拠表示の心許ない初心者によくある間違いに、ことがらの順序を取り違え、結論を誤る「アナクロニズム」があります。どんな分野でも、こみ入った専門的な議論に踏み込む前に、論拠とする情報の前後関係を整理しなければなりません。データベース検索の見出し一覧は、時系列の整理や情報の鮮度、典拠表示などの不足を、直感的に防ぐ手だてとなります。

 情報検索は、問題設定、引用、段落の組立てなどの作法と切り離せない、重要なスキルです。その有無が、人の論理的説得力を生涯左右することを、伝えたいと思っています。

(2012年9月)

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