大学図書館や公共図書館で、実際に「聞蔵」を使われている利用者のみなさんに、活用の仕方をお聞きしました。研究者、学生、図書館司書、ビジネスマン、人の数だけ、利用法が存在します。聞蔵シリーズは、利用者の「ほしい」にピタリとはまる記事データベースです。138年を超える新聞情報の宝庫から、必要な情報がきっと見つかります。

大学図書館で

公共図書館で

調査・研究に活かす
 

現代と過去をつなぐために有効なツール

龍谷大学 経済学部教授 小峯 敦さん

小峯ゼミの2012年度卒業研究集

小峯ゼミの2012年度卒業研究集

 専門は経済学史・経済思想史です。経済学史は「人々が経済をどう認識してきたか」を扱う学問で、理論と歴史、過去と現在、あるいは経済学と他の人文・社会科学を結びつける役割を果たし、科学史の側面も持っています。輸入学問である経済学を効率的に理解するために、明治期からの日本で特に発達しました。

 未公開文書を発掘・調査し、研究に活かす「アーカイブワーク」という手法があります。昔の経済思想を現代の視点で評価したり、新しい解釈を加えたりします。英国は公文書の保管や分類にすぐれ、大英図書館からケインズに関する資料を日本から取り寄せることもできます。「The Economist」や「The Times」などのオンラインデータベースを研究に使うことも多いのですが、最近は日本の新聞データベースも充実してきたことから、学生向きにも演習で利用するようになりました。

 昨年は2年次の基礎演習で「聞蔵IIなど複数の新聞データベースを使い、ある政治上、経済上の出来事について日付を特定した上で、各新聞の内容・分量などを比べなさい」という課題を出しました。例えば、「リーマンショック」「ブラックマンデー」「プラザ合意」などの重要な出来事です。5人ずつのグループに分かれ、お互いに調べた内容を批評しました。記事を読み比べてみると、同じ事象でも新聞社によって見出しや分量が異なるなど、スタンスの違いを感じ取ることができます。

 高校までは基礎知識を覚えることが勉強の中心でしたが、大学では多くの見解に触れた上で、自分がどう考えるかが大切になります。ネットからのコピー&ペーストでは、レポートや卒業論文になりません。誰がどの文献で述べたのか典拠を示すのが引用であり、論文は典拠を示すことが基本です。複数の文献を比較考察し、自分の立場や考えを論理的・客観的に述べるという癖は、社会人になってからの仕事文やプレゼンにも大いに役立つでしょう。

 3年次には他大学と合同ゼミナールを実施しています。「非正規雇用」などのテーマを各自で設定し、経済思想家の観点を加味した上で、パワーポイントにまとめて発表します。この過程で、必ず各種のデータベースからの検索情報を複数加えるように指導しています。縮刷版でしか記事を探せなかった時代を思えば、短時間ではるかに有用な情報を仕入れることができるようになりました。合同ゼミでは、グループワークや他大学との討議・交流を通じて卒論を作成するために必要な力をつけていきます。

 新聞は速報性にも優れており、新しいデータを拾えるという利点があります。さらに、新聞データベースには様々な検索機能があります。聞蔵IIの場合では詳細検索という機能を使うことで、適切な情報を効率的に引き出すテクニックを学ぶこともできます。

 経済学史は、現代的なテーマを、昔の思想を1つの切り口として考察できる学問です。膨大な情報を一瞬で検索できる新聞記事データベースは、現代と過去をつなぐツールとして有効だと思います。

(2013年9月)

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