Top
朝日新聞社 www.asahi.com ENGLISH
asahi.com
home  > 国際  > AAN  > 

The Asahi Shimbun Asia Network
 ホーム | 一線から | 今週のコラム | AAN発 | 年間リポート | アジア人記者の目 | リンク | English
今週のコラム
アジアと欧米の識者による様々な立場からの意見です
「反米親北」若い世代に
李鍾ガク
元東亜日報政治部記者、東京大学大学院生(韓国)  

韓国の大統領選挙で、若い世代は盧武鉉氏を圧倒的に支持し、変化と改革を求めた。世論調査で20代、30代の盧候補支持は60%に達した。新語で「2030世代」というこの世代の盧支持には、激化している韓国民の反米感情と民族主義も大きく作用した。

確かに、在韓米軍の装甲車による女子中学生死亡事故の無罪評決は反米デモを招き、盧候補に有利に働いた。しかし選挙直前には、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核施設再稼働宣言、米国の北朝鮮ミサイル搭載船舶拿捕(だほ)など安全保障での大事件が相次いだ。以前なら保守系の李会昌候補に有利になるはずだった。

だが、今回は異変が起きた。李候補の「韓米協調の強化」など従来型の「親米反北」路線に対し、盧候補は「対等な韓米関係」と太陽政策の継続というカードで対抗し、僅差(きんさ)で勝った。背景には、米国と北朝鮮に対する韓国社会の認識の大きな変化があった。

選挙直前の世論調査によると「米国嫌い」は53%で、94年調査の15%に比べて3倍を超えている。特に、有権者の半分を占める20代、30代は70%以上が「米国嫌い」だ。半面、北朝鮮への好感度は「同族だ」という理由などで47%と、米国への好感度を10%上回る。韓国人の「反米親北」傾向が深まっている。

朝鮮戦争と戦後の苦しみを知っている韓国の50代以上は「米国好き」が「嫌い」の2倍以上だ。しかし、「2030世代」は戦争も、戦後の辛酸も知らない。経済成長による豊かな生活と自信、冷戦終結後の米国の高圧的な対外政策に対する反発などが、広がる反米感情の背景にある。

来年50年を迎える韓米同盟関係は、いま最悪の状態だ。80年代の反米運動は過激な学生らが中心だったが、今の反米デモには子供、主婦まで加わる。

不平等な韓米地位協定の見直しを求める運動は必要だが、在韓米軍撤収といった事態を招いてはならない。北朝鮮ミサイルの射程内にある日本にとっても、韓国世論の動向は「対岸の火事」ではない。

2002年12月27日
▼バックナンバーへ

Homeへ | 画面上へ