盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が3年目に入った韓国で、「歴史の嵐」が吹き荒れている。
盧大統領は最近、日本の「賠償問題」に言及した。国家情報院は2月、金大中(キム・デジュン)氏拉致事件や大韓航空機爆破事件など過去の軍事政権下で起きた七つの事件について、民間の専門家と合同で真相究明に取り組むと発表。植民地時代の対日協力者(親日派)調査のための「反民族行為真相究明法」の国会通過や、韓日基本条約と朴正熙(パク・チョンヒ)大統領夫人銃撃事件に関する記録公開などに続く歴史の見直し攻勢の一環だ。
朴元大統領を「親日派」「女たらし」に描いた映画の上映など、朴元大統領関連の話題も相次ぐ。盧政権が力を入れる「過去の疑惑・闇・謎の解明」作業が本格化し始めたのである。
過去の事件といっても、主に朴政権下でのこと。野党は「次の大統領選をにらんだ『朴正熙たたき』だ」と反発している。国防省が最近、北朝鮮を「主敵」とした国防白書の関連条項を削除するなど、盧政権では「主敵」が「朴正熙」に変わった趣がある。
盧政権は間もなく5年任期の折り返し点へ。これまでは「政治・社会的な津波に翻弄(ほんろう)された」(大統領府前広報首席秘書官)との自己評価のように旧システムと闘う消耗戦だった。過去の政権が任期前半に「軍内の派閥解体」「金融実名制の実施」(金泳三(キム・ヨンサム)政権)や「経済危機克服」「南北頂上会談」(金大中政権)などの実績を残したのに比べ、盧政権にはまだ見るべきものがない。
権力によって隠蔽(いんぺい)、歪曲(わいきょく)された事件の真相究明と処罰は名分もあるし、後続の政権の鑑(かがみ)にもなる。だが、それが政略に落ち、懸案解決や未来志向の生産的な仕事につながらなければ主客転倒だろう。
北朝鮮では故金日成(キム・イルソン)主席をたたえる「遺訓統治」が、死後10年過ぎても政権維持の柱になっている。60年代から70年代、南北の指導者として激しい体制競争を展開した朴正熙と金日成は死後もまだ現実の政治舞台を動かしているのだ。
日本には歴史をあいまいにする特技があるが、韓国・北朝鮮は歴代政権が「民族正気」の確立、「主体思想」の強調などで歴史に執着する体質になっている。