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 コラム・時評
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コーン 米国の重要なエネルギー資源


阮 蔚(ルアン・ウェイ)
農林中金総合研究所主任研究員

阮

ガソリン価格の急上昇に直面して、いかに輸入原油への依存を減らし、自国のエネルギーを増産するかの議論が、米国のマスコミを連日にぎわしている。キーワードは、「国産」と「再生可能」だ。

最も有力な方策は、米国の最も競争力がある農産物コーンからエタノールを作り、ガソリンにブレンドすることだ。昨年米国で作られたコーンエタノールは前年比約20%増で、米国ガソリン販売量の2%に当たる約40億ガロン(1ガロン=約3・8リットル)。ブラジルと肩を並べるまでに成長した。ブッシュ大統領は今年、中東原油への依存を25年までに75%減らす壮大な目標を掲げ、エタノール燃料の生産拡大に檄(げき)を飛ばした。

エタノール工場は稼働中の101カ所に加え、建設中が33カ所。合わせると生産能力は05年米国ガソリン消費量の約5%、日本の消費量の約43%の約69億ガロンに達する。さらに、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏の投資表明、穀物メジャーADMの大規模工場の新設など、エタノールフィーバーは当分続きそうだ。

エタノールの生産拡大は米国ではコーンの消費拡大を意味する。05穀物年度に米国生産量の14%に当たる4060万トンのコーンがエタノール向けに消費され、前年比で約21%増える見込み。69億ガロンを製造すると、06年生産予想量の約23%、6300万トンほどのコーンが必要となる。米国のコーンは、まさに重要なエネルギー資源ともなった。

コーンエタノールの増産は米国農業の「外需依存」から「内需依存」への転換も意味する。今年度にエタノールのコーン需要は輸出量と並び、来年度は確実に輸出量を上回る見通しだ。内需喚起で穀物価格が大幅上昇したら、米国の穀物農家の所得安定だけでなく世界貿易機関(WTO)交渉での国内支持政策の削減にもつながる。一石二鳥だ。

問題は、東アジアが飼料穀物を高度に米国に依存していること。最大輸入国の日本は年間約1600万トンのコーンを輸入し、その94%を米国に頼っている。世界の生産量の4割以上、輸出量の6割以上を占める米国コーンの方向転換は、日本など東アジア諸国の食糧安保にどう影響するのか。今後の大きな検討課題だ。

2006年 6月24日
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