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AAN発
動く中国とつきあう
貧富の差容認/農民の都市流入に複雑
 揺れ動く社会心理
園田茂人
中央大学教授

中国経済グラフ
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 中国国家計画委員会などが01年に6都市で実施した調査によると、「現在の貧富の差の拡大」について、「受け入れにくい」「受け入れられない」と答えたのは36.5%で、「当たり前だ」が40.8%、「受け入れられる」が19.7%だった。能力や努力に応じて貧富の差が生じるのは当然という意識がより一般的になっている。

 一方で、社会的な安定に影響を及ぼす要因としてトップにあげられたのは「官僚の腐敗」(同委員会の調査による)。経済システムが変わる時代、「格差」を受容するがゆえに、官僚が従来の特権的な立場を利用する「国有資産の私物化」「権限と金銭の交換」といった行為に対し、人々は厳しい目を向ける。

 ●暮らしの行方は?

 北京の民間調査会社、零点調査公司が01年に行った意識調査の結果によると、市民が最も関心を持っているのは「失業・レイオフ問題」(42%)。以下、「社会保障」(33%)「医療制度改革」(30%)と続く。雇用・福祉制度など暮らしの土台を気にする一方で、「老後の備えは自分で」といった、市場経済化に即した意識が都市部でも芽生えていると同公司は分析する。

 ●割を食うのは?

 中国人民大学の李路路教授らが98年に行った3都市での調査結果によると、「農村からの出稼ぎ者が自分たちの仕事を奪っている」と強く感じていたのが、国有企業でリストラなどの対象にされた女性。中高年層にこうした傾向が目立っており、社会主義の「男女完全平等」の原則が、市場経済化の進行とともに揺らぎ始めている。農村の高齢女性の自殺が多いという調査結果があることも考え合わせると、市場経済の恩恵を比較的多く受けているのは高学歴の男性といえそうだ。

 ●「流入」どう思う?

 園田ら日中の研究者が97年から98年にかけて4都市で調査した結果によると、農村からの出稼ぎ者が都市の治安を脅かしていると感じている人が83%にのぼった。他方で「出稼ぎ者が都市生活に貢献している」という答えも64%。実際、その下働きなしには都市経済は成り立たなくなっている農民の都市流入に対する思いは複雑だ。

 また同じ調査で、「キャリアアップのために、いつでも国内の他地域や海外に出てゆく準備がある」と回答した者は全体の38.7%。20歳代に限れば50.2%と、半数を超えた。

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