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資源大国ロシアとの付き合いには、それなりの体制づくりが必要だ。
「ひとつの声で表明される共通アプローチ」
欧州連合(EU)欧州委員会は3月、エネルギー問題の解決を図る共通政策のたたき台を発表、バローゾ委員長はこう強調した。
天然ガスの供給をロシアに大きく依存するEUとして、ロシアなどの供給国に対しては一体となって行動すると宣言したのだ。
EUとして供給源多様化のためにカスピ海沿岸の天然ガスをトルコや東欧、オーストリアまで運ぶパイプライン建設を後押しする。一方で当のロシアからドイツ、英国への天然ガスパイプライン計画も粛々と進んでいる。
EUの起源は、52年設立の欧州石炭鉄鋼共同体だ。フランスとドイツの国境付近の鉄鉱石や石炭という資源が戦争の原因になったため、それを共同管理に委ねたのだった。
旧ソ連諸国との間でもEUが中心になって94年にエネルギー取引の共通ルールとなるエネルギー憲章条約に合意。原署名国ロシアは批准を拒んでいるものの、「国内法に矛盾しない限り、従わなければならない」(エネルギー憲章事務局・金井実治エコノミスト)とされる。
安定供給のための「首輪」をロシアにつないだ格好だ。
日中では「争奪戦」
ロシアの存在感はいま、アジアで増している。すでにアジアのエネルギー需給の将来像はロシア抜きには語れなくなっているといっていい。
サハリン沖で進む大規模な原油・天然ガス開発の2大プロジェクトのうちの「サハリン2」は、08年の液化天然ガス(LNG)の出荷に向け、日本の電力、ガス会社との契約が次々結ばれてきた。
発表されただけでも最低で年間500万トン弱に達し、これだけで日本のLNGの総輸入量約5800万トン(05年)の1割弱を賄う計算だ。もうひとつの「サハリン1」も日本などへの天然ガス輸出を目指している。
建設が始まった東シベリアからのパイプラインでは年間8千万トンの原油を中国・太平洋岸に送りだす。埋蔵量を疑問視する声はあるが、実現すれば、日本の原油輸入量約2億1千万トン(同)に照らしてもアジアのエネルギー需給を一変させるのは間違いない。
ロシア政府も、03年8月に採択した「ロシア2020年までのエネルギー戦略」で、サハリンや東シベリアでの生産増、つまりアジアへの資源販売に頼らざるをえないことを明らかにしている。
しかし、アジアにはEUのような消費国の連携がない。東シベリアからのパイプラインをめぐっては日中が「争奪戦」まで演じている。「結局、中国と競争させられて、日本の負担が増すばかり」との懸念が、日本のエネルギー業界には強い。(アジアネットワーク主査・小森敦司)
消費国の連携不可欠
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