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旧日本陸軍第22師団戦友会 |
会場で、小倉さんのお話も伺いながら、私はその一週間前に開かれたもうひとつのパーティーのことを思い返していました。パーティーといっていいのか分かりませんが、それは旧日本陸軍第22師団の戦友会です。最も年少の人で80歳。中国に派遣された師団ですので、集まった20人の方々から、それぞれに戦争観、アジア観、中国観を聞きました。この戦友会のことは、昨年の「動く中国とつきあう」の特集でも触れたことがあります。(一対一の交流深めて見え始めた「共同体」http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu021224a.html)「中国の人たちへの謝罪」ということを、とにかく、形として表したことのある人たちなのです。
にもかかわらず、いま日中関係を最もこじらせている小泉首相の靖国神社参拝については、「行ってほしい」という人が大半でした。その「ねじれ」の背景がずっと分からなかったのですが、今度それなりにじっくり話を伺った結果、A級戦犯が合祀されている場所に日本の最高権力者が詣でるということへの中国人の視線、感情を、深いところでは理解できないままで来ている日本人、ということが頭に浮かびました。戦友会参加者がそうでした。「中国で悪いことをした」と思っている方でもそうなのですから、そういう実体験を持たない、しかも継承もされていない世代は、「中国人の思い」をリアルに感じ取ることは極めて難しいことなのかもしれません。
けれど、そうしたお互いに対する理解、想像力を欠いた状況を過去のものにしなければアジアとの交流が立ちゆかなくなる時代が、はっきり訪れたのだと思います。天児・新委員は最近の著作「中国とどう付き合うか」(NHKブックス)で、「現在」について、「もし国際社会や日本社会を正視し、あえて日本のあり方を再考し、新しい国のあり方を模索しようとする日本人がいるなら、今を『危機』として強く意識すべきであろう」と規定したうえで、中国や世界(アジアも当然含意されているでしょう)との交流を前向きに生かしていく意味をこう強調しています。
「日本を中国人がみて、あるいは世界の人々がみて、素晴らしい魅力的な国・社会と感じてもらえるような国に再生するために、日本人一人一人が日々を努力することにこそ、日中関係を、そして世界との関係をより良い豊かなものにしていく鍵がある」
いまこそ、アジアとの今後のつきあいを意識的に考え直す必要がある、そしてそれは嫌なことではなく、楽しいことであるはずだ――。そのメッセージを日本社会に広げていくことがAANの大きな仕事ではないだろうかと、実動部隊(の一人)としては考えています。