私たちのチームの4回目の特集の掲載予定日が、2月11日朝刊に決まりました。テーマは「日本の中でアジアの人々とどう向かいあうか」。そして、2月29日朝刊で5回目、最終特集を掲載する予定です。準備作業に拍車がかかってきました。
最終の5回目前後には、昨春から「アジアに開く日本」というテーマで私たちが考えてきたことを、特集とは別にまとまった形で発信することを計画しています。私たちがまず強調したいのは、日本人が直面しているのは「アジアに開かざるをえない」状況なのだということです。
すでに指摘されているように、日本の人口は2006年から減少が始まります。街角で、高齢者の顔がかなり目立つ光景はもう地方では当たり前ですが、おそらく2010年ごろには都市部でもそうなるでしょう。そして、その状況は進む一方なのです。その過程で、たとえば肉体的なパワーが必要な介護者を外国から受け入れるかどうか、などという議論が必要になってくるでしょう。
そうした状況を前にして、「日本の中での外国人への向き合い方」を日本人一人ひとりがそれぞれに考えて、「覚悟」を決め、それを政治家が言葉にまとめ、政府とともに「在日外国人政策」を練りあげていくーー。日本社会で今後求められていくのは、そうした展開だと思います。
私が取材した法務省入国管理局の担当官は、「外国人労働者が必要かどうか、日本人の大多数はまだまだ考えてみたこともない、というのが現実ではないだろうか」と語っていました。現場ならではのリアルな判断かもしれず、確かに、まだしっかりと考えたことはない人は多いかもしれない。
けれど、深夜のラーメン店で麺をゆでたり、ファミリーレストランで注文を取りに来る若いアジア人男女は、考えてみれば既に身近な存在です。デフレ下で「コストダウン」を何よりめざさなければならない日本経済にしっかりと組み込まれています。彼らがいなければ、その店のたとえば一杯600円の味噌ラーメンの値段がいくらになるか。こうしたシミュレーションはあまりありませんが、3Kと呼ばれる仕事での、外国人、ことにアジア人労働者の貢献を、「もし彼らがいなかったら」という尺度でじっくり考えてみる時期ではないのでしょうか。
今年、大相撲では韓国場所に加え、6月に中国場所も計画されています。モンゴル人横綱に続く形の有望力士をリクルートする狙いも大きいようです。広くアジアに人材を求めなければ「国技」と呼ばれる競技の存立すら危ぶまれ始めた状況。それが21世紀初めの日本の現実であるということを、もっと日本人は理解すべき時なのではないでしょうか。
にもかかわらず、という感じですが、最近、川崎市でこういうニュースがありました。
●「悪質ないじめ1年続いた」 川崎市、児童と家族に謝罪
川崎市教委は27日までに、同市多摩区の市立南菅小学校で00年4月から、当時小学3年生の女子児童に対する極めて悪質ないじめがほぼ1年にわたって続き、学校関係者の対応は不適切だったとして、この児童と家族に謝罪した。
南菅小に指導の改善を求めた19日付の教育長名の通知書によると、いじめを受けたのは中国人の父と日本人の母をもつ女子児童。約1年間、複数の同級生からはやし立てられたり頭をたたかれたり、足をけられたりした。児童は他校に転校。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、現在も通院しているという。
通知書で、市教委は「民族差別を背景に行われた、暴力及び侮辱を中心とする、きわめて悪質ないじめであり、学校と市教委の責任は重大と認識する」と記述。「当時の学校関係者の対応はまことに不適切で、被害児童への精神的ケアや、関係児童への指導もなされないまま、いじめが繰り返され、被害児童が心身に異常をきたしたことは弁明の余地すらない事実」などと述べている。
児童の父親は27日、「通知書に書かれている内容は、娘があったいじめの一部に過ぎない。二度と、いじめが起きないよう学校に注文したい」と話した。(朝日新聞から)
日本人社会の何が、こうした民族差別を起こすのかも、私たちは改めてじっくりと考えてみようと思います。