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番外編 アフリカはどう報じるべきか

2008年4月16日

  • 朝日新聞外交・国際グループ 望月洋嗣

写真写真ザンビア 国営放送編集デスク ローズ・チャンプカさん写真タンザニア マジラ紙編集長 ジョセフ・クラングワさん写真セネガル ル・ソレイユ紙元編集長 ママドゥ・カセさん写真

 東京都内で3月初め、アフリカと日本のジャーナリストが、アフリカの発展につながる報道について議論する「アフリカの発展に関する日本・アフリカジャーナリスト会議」(外務省主催、朝日新聞社、NHK、国際協力機構〈JICA〉後援)が開かれた。ザンビア、タンザニア、セネガルのアフリカ3カ国から、放送と活字メディアの一線で活躍するジャーナリストが参加。元朝日新聞編集委員の松本仁一氏、アフリカでの投資に詳しい三菱商事の宮司正毅顧問、外務省の木寺昌人アフリカ審議官らと、意見を交わした。

 冒頭、外務省の河野雅治外務審議官が基調講演し、7月の北海道洞爺湖サミットで総理の個人代表(シェルパ)を務める立場から「G8サミットでもアフリカの問題は主要議題になる」と明言。その理由として、アフリカが気候変動で干ばつなどの脅威にさらされ、テロとの戦いもアフリカ東部ソマリアに舞台を移すなど、グローバルな課題とアフリカが密接に関わっている点を強調。「アフリカはグローバル化の陰の部分をかぶっている」と述べて、貧困削減、平和の定着、感染症、食糧問題などの問題への支援の重要性を訴えた。一方で、アフリカ連合(AU)を中心に自助努力の動きがあることを紹介。「かわいそうなアフリカ」ばかりに焦点を当てる報道ばかりで、「日本人はアフリカの実態を本当に理解しているのか」と問題提起。経済成長を続ける「元気なアフリカ」に焦点を当てる5月のアフリカ開発会議(TICAD)やサミットを主催する日本の責任の重さにも言及した。

 NHKの道傳愛子解説委員が進行役を務めたパネルディスカッションでは、ザンビア国営放送のローズ・チャンプカ編集デスクが、同国での国際協力機構(JICA)の農村開発プロジェクトを特集したニュースを紹介。「農村の持続的開発がアフリカ発展の一つの答え。そのうえで、民間が投資をできる環境をつくっていくことが重要だ」「投資家に投資をしてもらうには、アフリカをバランスをもって報道してもらわないといけない」と述べた。一方、タンザニア・マジラ紙のジョセフ・クラングワ編集長は、マイクロ・ファイナンスで女性の自立を支援したタンザニア女性に関する記事を取り上げ、「女性への援助が成長のよい循環を生む」と提言した。また、セネガルのル・ソレイユ紙の元編集長であるママドゥ・カセさんは、「我々は地球村に住んでいる。アフリカの問題解決に、人類は、アフリカはどんな解答をみつけるべきだろうか。アフリカが世界でより認識されるにはアフリカの統合が重要だ」と持論を展開した。

 これに対し、日本側の松本元編集委員は、無政府状態にある東アフリカのソマリアで、北部の自治区「ソマリランド」が、国連開発計画(UNDP)の支援で銃の管理に成功し、ユニセフを経由した日本の支援で学校をつくった事例を紹介。「自助努力で貧困から抜け出そうとする人々に届く援助こそ重要だ。また、その地域に最も役立つ、その地域の人々が一番必要とするものを与えていくことが重要だ」「そうした援助が行われているかどうか、アフリカの記者がウォッチしてほしいし、我々も監視しないといけない」と述べた。

 後半は、宮司、木寺両氏や国際協力機構の黒川恒男アフリカ部長が加わり、アフリカの経済成長促進が議論の中心になった。モザンビークでアルミ精錬工場への投資を成功させた三菱商事の宮司顧問は、日本からの投資の重要性を強調し「政府の援助と民間投資が相乗効果を生むようなプロジェクトが必要だ」と指摘。さらに、「日本の製造業に不可欠なクロムやプラチナなどの資源はアフリカ産。日本経済にとってアフリカがいかに大切かを認識させる報道も必要だ」と話した。黒川氏は政府への援助と同時に人々への取り組みを行うJICAの方針を披露。「援助が人々に本当に届いているのか。トップダウンとボトムアップの双方のアプローチが重要だ」との考えを示した。

 TICADを担当する木寺審議官は「アフリカの人々と同じ目線の高さで考え、準備を進めたい。TICADを15年間やってきたが、より中・長期的な関係を築いていきたい。日本がアフリカで紹介されることは限られているので、一言でも多く日本や日本人について記事で触れてもらい、アフリカについて日本人がこれだけ考えていると、アフリカの人々に伝えてほしい」と呼びかけた。

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