2008年4月8日

お経を唱えながら、マニ車を回すチェンチョさん
ヒマラヤの王国の小さな首都は、山あいにある。喧噪(けんそう)とは無縁の坂道の多い街を、着物に似た民族服を着て、日本人と似た顔をした人たちが行き交う。
街の中心に時計塔がある広場がある。そこに老人から若者まで、訪れる人が必ず回す円筒があった。大半の人々が信仰するチベット仏教の「マニ車」だ。
中に経文が納められ、回した数だけ経文を唱えたのと同じ効果があるとされる。みな小さな声でお経の一節を唱えながら回している。
市民の寄付で広場に設けられたのは1年半前。チェンチョさん(43)は「通るといつも回すわ。生きとし生けるものの繁栄を祈る。そして自分の気持ちも満たされる」。静かな街で穏やかな信仰がしっかりと生きている。(文と写真・小暮哲夫)